研究課題/領域番号 |
21K02292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 同志社女子大学 (2023) 平安女学院大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
新谷 龍太朗 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (10783003)
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研究分担者 |
相楽 典子 平安女学院大学, 子ども教育学部, 助教 (30709366)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 子育て支援 / アウトリーチ / インクルーシブ / スマートスタート / ホームスタート / 支援対象児童等見守り強化事業 / 同和保育 / 就学前支援 / 非営利組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米国スマートスタートの枠組みを参照しつつ、日本での就学前の包括的支援モデルとなる実践も調査し、非営利組織を中心としたコミュニティづくりと就学前支援の融合を図ろうとする臨床教育社会学的研究として構想している。 本研究の特徴は、次の3点である。1)非営利組織を中心とする就学前の包括的支援の在り方を解明すること。2)日本における非営利組織を中心とした就学前支援のための制度的条件を解明すること。3)日本で、社会的包摂を目指すコミュニティの企画運営に参与し、日米比較の知見を生かした実践づくりにつなげるアクション・リサーチ型の研究であること。
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研究実績の概要 |
本研究では、学力格差是正のために就学前からの支援が必要という問題意識から、アメリカにおいて1960年代以降取り組まれてきたヘッドスタートやアベセダリアンプロジェクトなどに関する先行研究から、その対象が限定されている点や効果検証の限界があるなどの課題を見出した。そこで、1990年代以降、より広い子育て家庭を対象として展開される、ノースカロライナ州のスマートスタートの取り組みの調査を行ってきた。また、新型コロナの影響により、日本において、障がいのあるこどもなど、社会的経済的に不利な要因を抱える家庭ほど支援が届きにくいという課題も見出され、アウトリーチによる子育て支援の必要性が明らかになったことから、アメリカにおけるアウトリーチの子育て支援にも着目して研究を進めてきた。 2023年2月の現地調査では、米国の子育てアウトリーチの成果検証を行っているHomeVeeに関するヒアリングや、医療機関と連携した子育て支援アウトリーチを行うファミリー・コネクト・インターナショナルでのヒアリングに基づき、米国のアウトリーチが、大きく健康系と教育系に分けられること、数回のアウトリーチにより支援度のトリアージを行う団体と、ターゲットを限定して継続的に関わる団体、その中間にあり予防的な取り組みを行う団体のの三層構造にあることが確認できた。 そこで、2023年4月のスマートスタートの全体会合において、三層構造の中間に位置するペアレント・アズ・ティーチャーズの団体関係者からプログラムの概要に関するヒアリングを行った。今後、より具体的なヒアリングを計画している。なお、全体会合では、本研究の日本の取り組みに関する成果発表として、日本のこども食堂に関するプレゼンテーションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの調査において、アメリカにおける子育て支援の体制に関する概要について明らかになってきたものの、どのような取り組みがあるのか、どのような制度となっているのかについてはより具体的な調査が必要と考えられる。本研究を進める間、新型コロナ禍により様々な活動が制限されていたことから、十分な調査研究を行うことができなかった期間を補完する追加調査が必要と考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査で着目してきた、ヘッドスタート及びスマートスタートについて、アウトリーチやインクルーシブ保育に焦点を当て、追加のヒアリングを行う。また、ペアレント・アズ・ティーチャーズの関係者にも、追加でヒアリングを行い、具体的なプログラムなどを明らかにしていきたい。
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