研究課題/領域番号 |
21K02298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 共栄大学 |
研究代表者 |
山田 鋭生 共栄大学, 教育学部, 准教授 (00756215)
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研究分担者 |
小野 奈生子 共栄大学, 教育学部, 教授 (90615973)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 学校的社会化 / 職業的社会化 / 初任者教員 / 若手教員 / 相互行為分析 / インタビュー / カンファレンス |
研究開始時の研究の概要 |
初任者(若手教員も含む)として初めて学校現場に着任した教員は、教育実践を重ねる中で様々な困難に直面し、それらを解消していく中で「教師」として社会化されていく。本研究は、初任者教員の教育実践をインタビュー調査と映像データ分析によって明らかにするものである。その調査過程において実践者と研究者間でカンファレンスを重ねていくことによって、共通の言葉を用いて複数の立場から教育実践のありようを相対的に捉え直す。そして、そこで得られた知見が実践者によって具体的場面において活用されるその場面もまた改めて研究・分析の俎上に載せる協働的アクションリサーチを展開する。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究実施計画に発展的変更が生じ、下記の研究実績を蓄積して研究活動を進めることができた。 まず、2022年度に実施した新任教員を対象としたフィールドワークをふまえて、2023年度前半で得られたデータの分析を行い、論文化する予定であった。しかしながら、その新任教員への調査の中で、研究者の側からのフィードバックに対応することが難しいということも明らかになり、そういった状況をある程度解消可能であるという予測から一定程度の教員経験を持つ人物を調査対象者として選定し、新たな調査を実施することとした。そのため2023年度9月からは教員経験5年目の若手教員の授業をビデオ録画する調査を計4回行った。新任教員調査と若手教員調査の両方の分析結果は論文化する予定であり、調査対象者へのフィードバックも予定している。 また、2023年度以前と同様に年間を通じて研究代表者と研究分担者によるデータ検討会や調査に関する打合せをおおよそ2週間に1度の頻度で実施した。当初は2023年度中の研究報告書刊行を予定していたが、研究代表者と研究分担者それぞれが論文として研究成果を公表するという方針に変更した。これは学会誌への投稿を目指した発展的変更といえる。 また、2024年度からは本研究をさらに発展させた研究課題を設定した科学研究費助成事業に採択されており(基盤研究(C), 課題番号:24K05768, 研究課題名:「授業」実践をめぐる教育社会学的研究:相互行為分析とカンファレンスの往還から)、ベテラン教員とのカンファレンスによる授業研究を目的とした調査を既に開始しており、本研究課題によって得られた知見を活用し、調査・研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、2023年度の前半は2022年度に実施した新任教員への調査によって得られたデータの分析作業に充て、2023年9月から当初の研究計画通りに若手教員への新たな調査を実施することができた。若手教員への調査は全5回にわたって実施され、いずれの回も参与観察とともに2台のビデオカメラによる授業の録画を実施している。2024年度は若手教員への調査によって得られたデータを分析し、研究代表者と研究分担者それぞれが本研究の集大成となるような論文執筆を行う予定である。 さらには、「研究実績の概要」にも記載したとおり2023年度中には新たな研究課題に繋がるベテラン教員への調査の確約も得ることができた(ベテラン教員への調査は2024年5月現在既に開始している)。この調査については前述の通り本研究課題とは別の科学研究費助成事業であるが、本研究の継続・発展版の研究として申請・採択されたものであり、研究全体のさらなる発展が見込めるものである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでの調査(2022年度実施の新任教員への調査と2023年度実施の若手教員への調査)で得られたデータ(インタビューデータによって得られた音声データ、授業のビデオ録画によって得られた動画データ、カンファレンスを撮影した動画データの3種類のデータがある)の分析を進め、研究代表者と研究分担者それぞれが論文執筆を行う予定である。 データ分析の結果については、それぞれの調査の進行に合わせてインフォーマントに対してカンファレンスという形でフィードバックを行ってきているが、論文化したものを送付する、報告会を実施するなど様々に考えられるため、その方法を検討する予定である。
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