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外国人の子どもの貧困と進路保障: ブラジル籍、フィリピン籍、ペルー籍を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 21K02308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

新藤 慶  群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (80455047)

研究分担者 安宅 仁人  小樽商科大学, 商学部, 教授 (20513675)
高島 裕美  名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (40751128)
野崎 剛毅  札幌国際大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 教授 (50412911)
濱田 国佑  駒澤大学, 文学部, 准教授 (50634523)
上山 浩次郎  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (60751089)
品川 ひろみ  札幌国際大学, 人文学部, 教授 (80389650)
新藤 こずえ  上智大学, 総合人間科学部, 教授 (90433391)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード外国人生徒 / 高等学校 / 学校基本調査 / 在留外国人統計 / 外国につながる子ども / 群馬県大泉町 / 日本語能力 / 貧困 / 階層再生産 / 進路保障 / 教育達成 / 在留資格 / 外国人の子どもの貧困 / ブラジル籍 / フィリピン籍 / ペルー籍
研究開始時の研究の概要

外国人の子どもの問題は、主として日本語教育の面から対応が進められてきた。しかし、エスニシティ間で階層再生産のあり方が異なる可能性があり、特に、ブラジル籍、フィリピン籍、ペルー籍の子どもは、日本語能力の問題とともに、貧困の問題も同時に抱えている可能性が高い。その点で、中学校卒業段階でどのような進路を保障できるかが、これらの子どもたちの将来を左右する大きな局面となる。
しかし、ニューカマー集住地域の学校では、貧困問題に対する支援は十分ではない。そこで、本研究では、貧困の視点から学校における外国人の子どもの進路保障を充実させる方途を探る。

研究実績の概要

外国につながる子どもの高校進学・在籍の状況について検討を進めた。その結果、第1に、高校に在籍する日本語指導が必要な外国人生徒の割合は、外国人生徒全体の3割弱となっており、2023年度から導入された高校における日本語指導が必要な生徒を対象とした特別の教育課程の実施は時宜を得たものとなっていた。しかし第2に、中学校に在籍する外国人生徒と、3年後に高校に在籍する外国人生徒を比較することで算出した外国人生徒の高校進学率の推移をみると、1970年代の約7割がピークであり、現在は6割前後と低迷していた。さらに第3に、高校生の学齢の外国人数と、高校に在籍する外国人生徒数を比較すると、高校に在籍する外国人生徒の割合は3~4割程度となっており、このほかに外国人学校等に通っている者もいることが予想されるけれども、日本の学校に通う外国人の割合は、これまで明らかにされてきた以上に低い可能性が見出された。加えて第4に、国籍の違いをみると、フィリピン籍や中国籍の子どもは比較的高校進学しやすいのに対し、ブラジル籍の子どもの高校進学がかなり厳しいものになっている傾向が見出された。
一方、調査結果の公表までにはいたらなかったが、外国人生徒が多く、日本語指導が必要な外国人生徒に特別の教育課程も実施している高校での教員への調査も行っている。こうした調査をさらに継続することで、高校での外国につながる子どもの教育について検討を深めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

外国につながる子どもの進路保障をテーマとした研究であり、特に高校進学後の状況について研究を進められた点は成果といえる。一方、公教育以外のNPO等での支援については、調査とその成果の分析がまだ不十分であり、こちらの研究もさらに進めていきたい。

今後の研究の推進方策

第1に、教員調査の観点から、外国につながる子どもの進路保障の成果と課題を明らかにしていきたい。これまで中学校から送り出す側、さらに高校で受け入れる側の双方の教員への調査を進めてきているので、さらに調査を進めるとともに、中学校と高校の両面から、外国につながる子どもの高校進学をよりたしかなものとする実践や体制について検討していきたい。
第2に、NPO等民間の教育支援の面から、外国につながる子どもの進路保障の成果と課題を明らかにしていきたい。特に、民間の教育支援団体の活動は、公教育で十分に対応できていない部分を補う形で展開されることが多く、そのこと自体が公教育システムの課題を浮き彫りにするものとなっている。さらに、民間団体と公教育との連携や、民間団体の活動を支援する制度など、民間団体による活動の充実につながる方途についても研究していきたい。
第3に、これまで重ねてきた統計データの分析を、さらに進めていきたい。国勢調査などの分析を進めることで、外国につながる子どもの進路(特に進学)をめぐる実態を明らかにしていく予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 高等学校に在籍する外国人生徒の実態に関する基礎資料 ―政府統計を組み合わせた分析をもとに―2024

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      群馬大学教育実践研究

      巻: 41 ページ: 187-198

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 在留外国人の階層再生産構造と教育の課題: エスニシティの違いに着目して2023

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      群馬大学教育実践研究

      巻: 40 ページ: 211-220

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 寄稿論文 在留外国人の子どもの教育からみた多文化共生社会 -群馬県大泉町におけるブラジル人の事例を中心に-2022

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      現代社会学研究

      巻: 35 号: 0 ページ: 39-60

    • DOI

      10.7129/hokkaidoshakai.35.39

    • ISSN
      0915-1214, 2186-6163
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 外国につながる子どもの日本語指導の必要性と教育達成の関連 : 文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の検討を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      群馬大学共同教育学部紀要 人文・社会科学編

      巻: 71 ページ: 121-135

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語指導の必要性と外国人の子どもの在留資格:法務省「在留外国人統計」からみる外国人の子ども2022

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      群馬大学教育実践研究

      巻: 39 ページ: 159-169

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 多文化共生社会の構築と学校の機能 : 在日ブラジル人とアイヌ民族の状況を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 雑誌名

      北海道大学大学院教育学研究院紀要

      巻: 138 ページ: 77-96

    • DOI

      10.14943/b.edu.138.77

    • NAID

      120007099117

    • ISSN
      1882-1669
    • 年月日
      2021-06-25
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 外国につながる子どもの困難と地域社会の新たな関係: 子どもの日本語能力と進路保障をめぐる地域社会の現状を通して2023

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 学会等名
      地域社会学会第 48 回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 在留外国人の子どもの教育からみた多文化共生社会:在日ブラジル人の子どもを中心に2021

    • 著者名/発表者名
      新藤慶
    • 学会等名
      第69回北海道社会学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] パラリンピックと共生社会2024

    • 著者名/発表者名
      久田 満
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      4750357294
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 国文学科主催シンポジウム記録2020 自己を物語る―文学の中の社会、社会の中の文学をライフストー リーから考える―,国文学科主催シンポジウム記録2021 他者と語り合う―在住外国人の日本語から考え る―2022

    • 著者名/発表者名
      群馬県立女子大学文学部国文学科編(好井裕明・安保博史・宮内洋・川口直巳・新藤慶)
    • 総ページ数
      78
    • 出版者
      群馬県立女子大学文学部国文学科
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 外国につながり子どもの学びを支える教育・保育機関と家庭の連携の実態と展望: 群馬県大泉町を対象と して2022

    • 著者名/発表者名
      新藤慶編(新藤慶・野崎剛毅・品川ひろみ・上山浩次郎・濱田国佑・小野寺理佳)
    • 総ページ数
      139
    • 出版者
      群馬大学共同教育学部学校教育講座新藤研究室
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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