研究課題/領域番号 |
21K02333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
亀崎 美沙子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (60459592)
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研究分担者 |
中谷 奈津子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00440644)
鶴 宏史 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80411932)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 倫理的ジレンマ / NAEYC / 倫理的意思決定 / 保育 / 倫理的責任 / 倫理的意思決定モデル / 基礎研究 / 子どもの最善の利益 |
研究開始時の研究の概要 |
保育士は保育と子育て支援という職務の二重性を有しているために、複数の専門職倫理の対立による「倫理的ジレンマ」が生じやすい。こうした状況において子どもの最善の利益を保障するためには、専門職倫理を根拠とした倫理的意思決定のしくみが必要である。そこで本研究では、国内外の倫理的ジレンマの収集・分析を行い、保育における倫理的意思決定モデルの構築を目指す。本申請課題はこの目的の達成にむけた基礎研究として、①先進事例であるアメリカ及びデンマークにおける倫理的ジレンマの収集・分析、②国内における倫理的ジレンマの実態と構造の解明、③その解決の指針を示す「倫理的ジレンマ事例集」の作成の3点に取り組むものとする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、保育において「子どもの最善の利益」を保障するために、国内外の倫理的ジレンマの収集・分析を行い、保育における倫理的意思決定モデルを構築することである。2023年度は、①日本における保育者の倫理的ジレンマに関する調査研究、②NAEYC倫理綱領およびガイドブックの翻訳に取り組んだ。 ②で取り組んだNAEYC倫理綱領およびガイドブックの翻訳をもとに、インタビュー調査データを分析した結果、日本における「保育者がとらえる倫理的ジレンマ」には、「法的問題」「倫理的責任の問題」、さらには「困り感」が含まれていたが、「倫理的ジレンマ」に該当する事例は見られなかった。また、わが国の保育者がとらえた「倫理的ジレンマ」は全体の6割を占め、それらは同僚が引き起こす「倫理的責任の問題」に関するものであることが明らかとなった。 本研究成果を活用することで、日本の保育者が直面する倫理的課題に対する対応策の検討が可能となった。そこで、2024年度には、NAEYC倫理綱領およびガイドブックの和約を活用しつつ、その成果を保育者が実践に活用できるガイドブックを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染状況を踏まえて国外調査を見送り、研究計画を一部変更し、アンケート調査を追加した。それに伴い、ガイドブックの作成にさらなる時間を要することとなったため、「やや遅れている」となった。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況を踏まえて国外調査を見送り、研究計画を一部変更し、新たな国内調査の実施を行うことになったため、研究期間を延長することとなった。 2024度は、アメリカの倫理的ジレンマおよび国内インタビュー調査の結果をもとに、わが国の保育者が倫理的課題に取り組む際に活用可能なガイドブックの作成を行う予定である。 このガイドブックでは、これまでに和訳を行ったNAEYC倫理綱領およびNAEYC倫理綱領ガイドブックの内容を、わが国の倫理的課題にかかわる事例分析の分析枠組みとして活用する。
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