研究課題/領域番号 |
21K02342
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 貞静学園短期大学 (2022) 関西外国語大学 (2021) |
研究代表者 |
吉田 武男 貞静学園短期大学, 保育学科, 教授 (40247945)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 幼児教育 / ドイツ / 道徳教育 / 度徳教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の課題は、民族的・文化的・言語的な多様化とコロナ感染にも対応できるような、道徳性を浸透させた「基本的な生活習慣」の形成の方法をドイツの「生活基盤型」の幼児教育から紡ぎ出すことである。 その課題を達成するために、まず日本の幼児教育施設の実践を把握しながら、ドイツの幼児教育施設における「基本的な生活習慣」の実践を科学的・実証的に把握するための分析枠組みを作成する。次に、ドイツ全体を掌握するために、ドイツの代表的な州を選出したうえで、そこでの実践の理論と実践の特徴について、日本の幼児教育施設との対比によって明確化し、幼児期における間接的道徳教育の意義を見出す。
|
研究実績の概要 |
具体的には2021年度中に、まず各地における日本の幼児教育施設(幼稚園と保育園と認定こども園)の実践について調査し、「基本的な生活習慣」の下位概念を見出したうえで分析枠組みを作成するとともに、抽出したドイツの各州の幼児教育施設の実践を予備調査的に把握することであった。2022年度には、日本で準備した分析枠組みを使って、絞り込んだドイツの各州の幼児教育施設で本格的に調査を行うことであった。 ところが、その2年間にわたって、新型コロナ感染のパンデミックが十分に終息しないため、ドイツにおける現地の教育機関の調査のみならず、国内の教育機関や教育行政機関の現地調査も十分にできないという研究状況が続いてしまった。その状況を踏まえ、ネットの活用と文献の収集を通して、さまざまな現地の情報を入手し、当初に想定していた成果に及ばなくても、できる限りの方法を駆使して、それに近づけるように研究を推進した。その結果、「下位概念」の作成には、国内では、ホームページの閲覧だけでなく、電話やメールによる調査だけでなく、大いに参考になると見なすようになった認可外の幼児教育施設を訪問し、実践を直接的に観察するとともに、施設の代表者にも直接会見し、インタビュー調査を実施することができた。また、ドイツでは、バーデン・ヴュテンベルクやバイエルン州などの地域よりも、ベルリンやブランデンブルクやノルトライン・ヴェストファーレン州などの地域の方が、これからグローバル化の影響を強く受けていく日本の幼児教育への示唆を考えると、研究にとってより適っていることを確信した。 しかし、新型コロナ感染の影響で、研究の中心である海外の現地調査ができなかったために研究の進捗状況は遅れることとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文献研究ではなく、実際の現場に出向いて研究を行うことを主眼に置いていただけに、2年間にわたって、地球規模の新型コロナ感染の拡大によって、ドイツのみならず、日本国内外においても、実際には幼児教育施設を訪問・観察しながら現地調査を十分に行えなかったことは、研究の推進に多大な影響を及ぼすことになった。 もちろん、研究を遂行するために、ネットの活用(ホームページの閲覧とe-mailなどの連絡)と文献(書籍や論文)の収集を通して、実際にさまざまな現地の情報を入手することができた。とりわけ、国内の調査に関しては、国外のドイツと異なり、施設の関係者から直接的なインタビュー調査もできたために、予備調査的な研究については、それなりに進められたことは幸いであった。特に、国内における認可外の幼児教育施設の調査は、これからの研究の枠組みを作っていくうえで、大きな成果となるものであった。その点から言えば、国内の幼児教育施設の研究は部分的には進展したものの、何と言っても研究の中心となる、科研費申請時に想定していたドイツの現地調査を行うことができなかったために、実際的には研究全体の進捗状況は、かなり遅れることとなった。 したがって、直接的な研究成果は目に見える形では明確に現れるところには至っていないけれども、国内外の現地の幼児教育施設やその関係機関とも、訪問はできないものの、つねに連絡を取り続けることによって、研究を遂行するうえで基盤となる幼児教育施設との円滑な関係性が築かれ、研究に必要不可欠な基礎的情報を得ているために、ようやくパンデミックな感染はかなり縮小したため、今後において研究の進捗状況は飛躍的に改善されると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
世界規模のコロナ感染が本研究を開始した2021年4月から2年間にわたって続いたため、本研究の中心であるドイツをはじめ、予備的な調査を実施する予定であった日本国内においてすらも、幼児教育の現地調査に十分に入ることができなかった。その影響が大きく、本研究の計画の実施は遅れることになってしまった。ところが、2023年度に入ると、かなり感染も縮小してきたが、寒い季節になると再び拡大するという恐れも考えられるるため、縮小している時期を見つけ、その時期にできるだけ早く研究計画を促進したいと考えている。 そこで、まず、国内における実地調査を行い、ドイツの本格的な現地調査の前に、研究の焦点化を図りたいと考えている。そのうえで、夏季か秋季あたりにドイツを訪問し、現地調査を行う予定である。それまでに、ドイツの現地と密接な連絡を取りながら、実際に訪問が可能な機関を決定する。 さらに、冬季なれば、コロナ感染状況にもよるが、感染状況が比較的収まっている時期を選び、ドイツの以前の現地調査の結果を踏まえて、再度ドイツに赴き、現地調査を行いたいと考えている。ただし、コロナ感染の状況と研究状況の遅れを鑑み、当初に計画していた実施方法を柔軟に修正しながら、最終的な研究目的の達成に向けて推進するつもりである。 以上のような現地調査の結果を分析し、考察したいと考えている。
|