研究課題/領域番号 |
21K02353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
冨樫 健二 三重大学, 教育学部, 教授 (10227564)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 肥満小児 / 長期予後 / 肥満度 / 性差 / 生活習慣病 / 小児 / 肥満 / 予後 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、過去に肥満を主訴として診察を受けた子どもの記録(カルテ)をもとに、郵送による予後調査(後ろ向きコホート調査)を実施し、①「初診当時の年齢、肥満の程度、予後調査時までの経過年数」と「現在(成人期)における肥満継続・解消」との関係、②「小児期の肥満に伴う病態(体型、体脂肪量、内臓脂肪量、血液生化学値等)」と「成人期の心身の健康状態」との関係を検討することで、子どもの時期における肥満形成が成人期の心身の健康状態へ与える影響について検討し、肥満の早期予防・対応の重要性を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022度は、前年度に構築した肥満小児のデータベースを元に予後調査を実施した。1,377名に対し、現在の身長、体重、生活習慣病罹患、栄養摂取状況、運動習慣等を尋ねる予後調査を実施し、回答のあった304名(小児期の平均年齢9.4歳±2.3歳、予後調査時の平均年齢34.8±11.0歳、平均経過年数25.6±10.8年)を本研究の対象者とした(有効回収率27.8%)。 肥満継続率は全体として68.4%であった。小児期に軽度肥満だった者で成人期に肥満(BMI25以上)だった者は55.9%であるのに対し、小児期に高度肥満だった者では81.6%を示した。男女別に肥満継続率を比較した結果、男性で肥満を継続している割合が高い傾向を示した(73.0% vs 63.1%、P=0.06)。一方、小児期の体型別に成人期肥満の相対リスクをみると、男性では小児期に軽度肥満だった者に比べて小児期に高度肥満だった者が成人期に肥満を継続する相対リスクは2.0倍(ns)であるのに対し、女性では6.0倍(P<0.05)と小児期における高度肥満の成人肥満への移行リスクに性差が認められた。 生活習慣病罹患数についても成人期に肥満を継続していた群が解消していた群に比べて有意に高値を示した(1.0±1.2個 vs 0.4±0.7、P<0.01)。 肥満を継続している理由として「食べ過ぎ」(65.9%)、解消した理由として「食生活の改善」(55.2%)が最も多く、栄養調査の解析からエネルギー摂取量、炭水化物の摂取量が肥満の継続・解消の要因であることが示唆された。また、運動習慣について検討を行ったところ、質問紙では肥満を継続している理由として「運動不足」と答えた者の割合が64.9%、肥満を解消した理由として「運動系部活動への加入」と答えた者の割合が29.2%であり、運動実施も肥満の継続・解消に関わっていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、過去の診療情報をもとにしたデータベースを用いて調査紙の発送・回収、小児期と成人期の体格比較、生活習慣病の状況等が解析できているため。
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今後の研究の推進方策 |
調査紙回収時に生活習慣病検診受診を希望する意向の調査をしており、200名弱が希望していた。今年度は希望者の中から実際に検診を受ける対象者を選定し、臨床検査を伴った成人期の健康状況について把握していく予定である。
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