研究課題/領域番号 |
21K02356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野口 彩香 香川大学, 医学部, 技術補佐員 (40849288)
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研究分担者 |
諸隈 誠一 九州大学, 医学研究院, 教授 (50380639)
奥野 晶子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (70848944)
石川 哲朗 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 客員主管研究員 (90824160)
渡部 基信 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30649306)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生体リズム / ASD / 睡眠 / 胎児 / 発達 / 縦断研究 / Audio-motor Synchrony |
研究開始時の研究の概要 |
「機能リズム障害としてのASD」仮説検証のために、前調査参加者の児が2歳、3歳の時点で①睡眠調査、②ASDの早期スクリーニング、③医師によるASDアセスメント、④音楽やリズムに対する知覚や運動に関するオンライン実験を行う。これらは、前調査データと結合し、⑤理化学研究所において機械学習や数理解析を実施する。これにより、胎児期から始まる生体リズム障害・睡眠リズム障害が、3歳までのASD発生頻度に影響しているか、社会性といった異なるスケールのリズムにも影響を及ぼしているかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
この研究は本仮説『機能リズム障害としての自閉症スペクトラム症/障害(ASD)』に基づいてASD病態の解明を目的としている。これまで我々は胎児期から睡眠、内分泌、心拍などを測定し、生後1歳まで質問紙や睡眠ログを実施しデータを縦断的に収集してきた。本研究では、更にASDの診断が可能になる3歳にて、発達や睡眠に関するデータを集め、生体リズムと発達の関連を機械学習などによる網羅的時系列特徴量解析や数理モデリングによる因果性推定に基づき、仮説を検証する。またオンライン調査は実際の対象者の行動を観察してASDの診断に役立つ方法の構築を目的としている。 本年度は、我々の縦断研究の対象者に、生後3年での児の発達や睡眠に関する調査票と睡眠ログに回答いただきデータ収集を開始した。収集したデータは同志社大学赤ちゃん学研究センターにて集約し、引き続き解析用のデータセットを作成している。 香川大学では更に生後2歳の時点で児の発達や早期ASDスクリーニング、睡眠ログのデータも収集した。またオンラインでの発達検査を行うため、香川大学病院に通院する2、3歳児に対し、オフラインとオンライン場面で発達検査を行い、児の反応の比較やオンライン調査実施に伴う問題点を見つけ、手続きや課題の改善を行っている。 データ解析においては、年齢別リスク層別化手法を統計的に検討した論文を出版した。また胎児から生後1歳までのデータを用い、ASDリスク因子の網羅的探索と因子間の相互関係を検討し、各因子のASD傾向予測に対する寄与度を解析し、学会発表と論文の投稿を行った。 睡眠ログデータ分析手法を開発し、乳幼児の睡眠パターン、年齢・発達に応じた変化を捉え描画することで、睡眠を層別化し定量的・客観的評価を可能にする。発達障害などのアウトカムと睡眠パターンとの関連を抽出することを目的に解析を行い、今後本研究で得た睡眠ログのデータ解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、引き続き各連携機関にて生後3年を迎えた対象者に調査票と睡眠ログに回答をしてもらい、データ収集を行っている。香川大学では、更に生後2年を迎えた対象者に調査票と睡眠ログも実施している。収集したデータは同志社大学赤ちゃん学研究センターにて集約され、今後胎児から生後3年までのデータセットを作成し解析を行う予定である。 本研究では更に、オンライン調査にて実際の対象者の行動を観察してASDの診断に役立つ方法の構築を目的としている。2022年度は発達障害の特徴がよく見られると思われる項目を新版K式発達検査の中から選び、香川大学にて3歳児のお子さん対象にオフラインとオンラインで実施した。対象者の反応にオフラインとオンラインで違いがあるか、またオンラインでの調査を行うにあたり手続き的な問題点などを洗い出し、課題の検討を行っている。来年度は香川大学で縦断研究の参加者の中で生後3年の方や新たに来院される方に向けて、また同志社大学赤ちゃん学研究センターでもオンラインで実施できる発達検査開発に向けて調査を実施していく予定である。 縦断研究で得たデータの解析に関して、胎児から生後1歳までのデータを用い、ASDリスク因子の網羅的探索と因子間の相互関係について検討し、各因子のASD傾向予測に対する寄与度を解析し、その結果をまとめて論文を投稿中であり、また来年度小児科学会発表を予定している。別途、経時データの年齢別リスク層別化手法を検討した論文を出版した。 睡眠ログの解析について、乳幼児の睡眠パターン、年齢・発達に応じた変化を捉え描画する手法を開発し、睡眠を層別化し定量的・客観的評価が可能となった。見出された睡眠パターンと発達障害などのアウトカムとの関連を抽出する解析を行っている。今後はこの解析手法を胎児発達研究で収集した生後1年や3年時点での睡眠ログデータに適応してデータ解析を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は引き続き2、3歳を迎える縦断研究の対象者の方々に対して、調査票と睡眠ログを行いデータ収集を進めていく。連携機関によっては参加者の方々に再同意を取得する必要があり、回答率が低かったが、参加者の方々に調査へ葉書や電話にて連絡をして調査へのご協力をお願いしながら、調査票と睡眠ログのデータ回収を行っていく。 オンライン調査については、縦断研究の対象者の方々に対して、香川大学でのみ発達が気になる子に対してオフラインとオンラインの比較を目的として、来院してK式発達検査を行う。この変更にあたり、十分なデータ数が集まらない可能性が考えられるため、香川大学に来院する3歳児や同志社大学赤ちゃん学研究センターでも調査が実施できるように倫理審査を申請し、調査を行う予定である。そしてオンライン調査の目的も対象人数が縦断研究の一環として解析を目的とする前に、オンラインとオフラインで発達検査を行った際、違いがあるのかやASDの指標となる行動などを模索していく。
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