研究課題/領域番号 |
21K02376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80321438)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | COVID-19 / コロナ / 保育室 / 二酸化炭素 / 温湿度 / 換気 / 空気清浄機 / 保育園 / 湿度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、「密閉を防ぐ」つまり換気中心の室内環境対策の方針によって、保育所などの保育室の空気環境(温度や湿度、二酸化炭素濃度)に与えた影響について明らかにすることを目的とする。 具体的手法としては、温暖地と寒冷地の施設を対象とした冬季中心のアンケート調査、実測調査とし、CFD解析も併用する。 またアフターコロナを視野に入れ、その後の保育室の空気環境のあり方や調整方法について、基準や指針化を見据えつつ、研究データに加えて衛生学・保育学の知見もあわせて提案し、保育施設への情報提供を行うことを目標とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、前年度の1~3月に実施した東海地方(愛知、三重、岐阜)での保育室の実測調査データの分析を中心に行った。実測調査は、計9園23室で行っており、測定項目は二酸化炭素濃度、温度、相対湿度であった。分析対象とする測定データは、休園日を除き、各園の登園から降園までの時間を考慮して抽出したものを利用した。 二酸化炭素濃度は厚生労働省によって良好な換気状態とされる1000ppm以下に、約94%の測定日が該当していた。次に、換気の程度を検討するため、期間中を定常とみなしてザイデル式を用いた推定換気量と必要換気量を算出した。推定換気量は、23室中22室で必要換気量を上回っており、新型コロナ対策における換気の実施によって、保育室の空気環境は良好に保たれていると考えられた。その一方で、過剰な換気が行われている可能性が推察された。そこで、温度、相対湿度について学校環境衛生基準との比較をしたところ、温度は約29%の測定日で、相対湿度は約56%の測定日で基準よりも低くなっており、過剰な換気による影響が考えられた。 以上は比較的温暖な東海地方の結果であるため、前年度と同様な方法で、比較的寒冷な北信越地方(新潟、長野、富山、石川、福井)でのアンケートおよび実測調査も実施した。 アンケート調査は2022年11月に全1249施設に郵送し、有効回答率は50.6%(633施設)であった。実測調査は2023年1~3月に実施し、11園25室で二酸化炭素濃度、温度、相対湿度を10分間隔で測定した。アンケートでは、東海地方と同様に、新型コロナウイルス感染症対策として99.8%の園で換気が行われていたことが分かった。また、対策上で不満になる点についても、冷房・暖房の効きが悪いと回答した園が多く、温熱環境に関わる不満がみられた。 今年度に新たに収集したアンケート・実測調査データについては、今後もデータ分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東海地方、北信越地方のアンケートおよび実測調査の対象園が概ね予定通りの母数となっている。またデータについても機器のトラブルなく収集できている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度で得られた北信越方のデータのうち、アンケートデータについてはまだ単純な集計のみとなっているため、さらに分析を進める。実測調査データについても、3月下旬にデータ回収を終えたばかりのため、今後データ整理・分析を進める予定である。 令和5年度では、令和3~4年度に得られたデータに基づき、その成果を学会発表で報告すると共に、特に令和4年度に得られた北信越地方のデータの分析を進める予定である。
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