研究課題/領域番号 |
21K02397
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 美作大学 |
研究代表者 |
薮田 弘美 美作大学, 生活科学部, 准教授 (60805795)
|
研究分担者 |
前川 真姫 環太平洋大学, 体育学部, 准教授 (30780019)
吉澤 英里 星槎道都大学, 社会福祉学部, 教授(移行) (80616029)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 保幼小接続 / 10の姿 / ラーニングストーリー / NZ教育 / 姿勢 / 体幹 / 保育環境 / 架け橋プログラム / 幼・保・小接続 / アセスメントシート / 保育のDX / 小1プロブレム / バランスシート / クラメール / 半構造化面接 / 幼保小接続 / Learning Story / 非認知能力 / 子どもの姿の観察(姿勢測定) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「10の姿」の評価を可視化することで、幼児教育と初等教育以上を貫く柱を明確にして、円滑な保幼小接続のためのシステムを構築し、小1プロブレムの解消に繋げる目的とする。初めに、認可保育施設と認可外保育施設を対象とし、「10の姿」の評価を質的(Learning Story)及び量的(出現回数、出現状況、立位姿勢の身体配列とバランス能力)に捉え、可視化を試みる。次に、この2つの保育施設と公立小学校を対象に、円滑な保幼小接続のための協働システムを構築する。得られた成果を韓国やNew Zealandの幼児教育専門家等と共有・議論し、最終的には、国際的な視座から協働システムの有効性を検証する。
|
研究実績の概要 |
NZ教育視察研修に参加し、幼児教育施設(コハンガレオ・幼稚園・保育園・プレイセンター)小学校、特別支援学校の視察を行った。併せて、テ・ファリキのレクチャーを受ける。NZ教育の視察を通して、一人一人の子どもの持つ力を信じ子どもの選択に任せ見守ること、子どもの意欲を引き出す魅力的な環境をつくることがポイントであることが分かった。保育者にはLearning Story の記述が多く課せられていた。子どもの言動、態度をテ・ファリキに照らし合わせ何を経験し、何が育っているのかを一人一人丁寧に記録されファイルとしておかれていた。また、小学校への移行も設定されており、接続もスムーズに行われている。NZ視察での知見を、本研究で構築した協働システムと照らし合わせながら再構築の手掛かりを模索中である。特に、Learning Story の評価には子どもの「声(Voice)」が重視されているということである。なぜなら,子どもたちの声には,活動の記録を作成するに当たって、その場面を明確に描写し躍動感を与える効果があるとされているからである。その方法は多岐にわたっていた。本研究で構築した協働システムの「10の姿」のアセスメントシートの精度を高めるためには、Learning Story が方法論の参考になると考える。現在、国際幼児教育学会論文投稿に向けてデータをまとめている。 岡山県津山市保育協議会と共同で「体幹を育む運動遊び」~姿勢に関する状況把握とその課題に合わせた遊びの提供~というテーマで研究を進めた。5歳児の姿勢測定を実施し現状を把握し遊びの提案の口頭発表を実施した。 福島県からの委託として、子どもが育つ環境を改善する事業に取り組んだ。2023年8月22日~25日まで福島県内の7保育施設を視察し、保育環境改善のアドバイスを行った。その成果として「ふくしますくすくスケール」を策定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度<検証2>は国内で完成された保幼小接続のための協働システム(リーフレット)を、ニュージーランドの幼児教育専門家と共有し、得た知見をもとに、保幼小接続のための協働システム(リーフレット)の再構成を行い、最終的にシステムの有効性を国際的な視座から検証することを目的としていた。 しかしながら、ニュージーランドの幼児教育専門家(研究協力者)が2023年4月に日本へ帰国したために、協働システムを国際的視座から検証することができていない。ニュージーランド教育視察での知見を、本研究で構築した協働システムと照らし合わせながら再構築の手掛かりを模索中である。 また、日本国内の幼児教育施設(ニュージーランドの教育方法を適用している)から、調査協力の快諾を得ていたが、研究代表者と園との日程調整が合わず実施できなかった。来年度、構築した協働システムの検証を実施したい。 保育現場に積極的に出かけ、保育環境改善のアドバイス(福島県)、体幹を育む運動遊びの共同研究(岡山県津山市保育協議会)を行ってきたが、未だ、明らかになっていないことがあるので来年度も継続して取り組んでいきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度<検証 3>は保幼小接続のための協働システムの検証を実施する予定。具体的には構築した協働システムを日本の教育現場で実践し、客観的にグローバルな視点を得ながら保幼小接続のための協働システムの精度を高めたり検証したりする。最終的には、保育士は「10の姿」をどのように解釈し、評価しているか。円滑な保幼小接続(小1プロブレムの解消)のために、どのような「10の姿」の活用方法と、保幼小接続のための協働システムが有効なのか。構築した保幼小接続のための協働システムは、国際的知見から見て有効かという3点を視点にまとめ、幼児教育と初等教育の学びの連続性を確保し得る幼児教育の方向性を見出し、学会でその成果報告・発表をしたり、論文を投稿したりしたい。 その予備調査として、調査協力に快諾を得ている園を対象に、①本研究で作成したアセスメントシートの評価、②実践で使用してのメリットデメリット、③幼保小の接続の実態について、インタビュー調査を行う。併せて、5歳児対象に姿勢測定も実施する。保幼小接続については、必要に応じてインターネット調査を行い、架け橋プログラムを探る手掛かりとしたい。 福島県こども保育環境向上事業は、今年度も保育園を視察し、「ふくしますくすくスケール」を活用したワークショップを行い効果測定を実施する。 岡山県津山市保育協議会との共同研究は、2023年度口頭発表の内容をより深め、14頁の冊子にする。また、2025年2月に津山市保育協議会の代表として、岡山県で研究成果の発表を行う。
|