研究課題/領域番号 |
21K02400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 洗足こども短期大学 |
研究代表者 |
石濱 加奈子 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 教授 (00591190)
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研究分担者 |
野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
鹿野 晶子 日本体育大学, 体育学部, 教授 (10759690)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放課後児童クラブ / 唾液アミラーゼ濃度 / 不定愁訴 / 気分尺度 / 子どもの余暇 / やりたいこと / 余暇 / go/no-go課題 / 包括的余暇 / 余暇への満足感 / 余暇への欲求 / 自由時間 / 子どもの権利条約第31条 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,小学生の健やかな心身の育ちを保障する包括的余暇の具体を提案することである.具体的には,以下の3点を検証事項とする. ① 包括的余暇の実情の把握 ② 包括的余暇と主観的な心身の状況との関連 ③ 包括的余暇と客観的な心身の状況との関連 包括的余暇とは,従事した余暇に対する子ども自身の欲求,感情,活動内容,疲労感(活動量)などを含むものとする.また,主観的な心身の状況は子ども自身の実感とし,客観的な心身の状況は心配されている神経系の育ちを中心とする身体機能という2つの側面から包括的余暇との関連を明らかにし,目的を達成することを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は、小学生の余暇をより良いものにするために、余暇の過ごし方と心身の状況との関連を検討することで、その目的を達成しようとするものである。小学生の余暇を検討するとき、多くの児童が登録し、さらには登録数が年々増加している放課後児童クラブ(以下、児童クラブ)での心身の状況を検討することは喫緊の課題ともいえる。そこで、2023年度には児童クラブでの唾液アミラーゼ濃度、気分尺度、不定愁訴等の状況を明らかにすることを目的とした。 東京都と埼玉県に所在する児童クラブ4施設に登録しており、調査に同意した小学1~6年生99名を対象とし、各施設2~3日調査を行った。児童クラブ登所時、および降所時に唾液アミラーゼ濃度の測定を行い、同時に気分尺度および不定愁訴(疲労尺度)を質問紙にて回答を求めた。加えて、余暇の過ごし方と心身の状況について、各家庭にて質問紙への回答を求めた。 その結果、唾液アミラーゼ濃度の曜日の比較(目的変数に各測定値、説明変数に曜日、共変量に学年を投入した共分散分析)では、男子において月曜日の登所時が有意に高く、降所時はその差が確認されなかった。また女子では、いずれも曜日の差は確認されなかった。不定愁訴や気分尺度は、男女ともに曜日での差は確認されなかった。 男女別の登所時と降所時との比較(対応のあるt検定)では、男子では「からだが疲れる」が有意に高く、「元気がある(p=0.75)」「リラックスしている(p=0.72)」が有意ではないものの高い傾向であった。また女子では、唾液アミラーゼ濃度と「腰が痛い」が有意に低く、「リラックスしている」が有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は、コロナ禍にてその進捗が遅れていたものの、昨年度は放課後児童クラブでの調査を行うことができ、子どもの余暇を包括的に検討するという目的をおおむね達成できていると考える。 しかしながら、これまでの結果をまとめ公表することが叶わず期間を延長したため、「やや遅れている」との判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、昨年度までにフィールド調査をおおむね終了することができた。今年度は、これまでの結果をまとめ、包括的に検討したうえで、学会発表と論文等で公表する予定である。8月に学会発表を予定しているほか、同時期に論文を投稿できるよう準備を進めているところである。
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