研究課題/領域番号 |
21K02413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
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研究分担者 |
高木 晴良 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (90187930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 流産胎児 / 胎児染色体分析 / 正常核型 / トリソミー / 倍数体 / 流産 / 染色体分析 / 母体年齢 / 染色体異常 / 高齢妊娠 |
研究開始時の研究の概要 |
全国の医療機関から流産胎児の染色体検査を受注している検査会社(株)エスアールエル(以下SRL)の染色体検査結果を用いて、個人情報を完全に削除した完全匿名データによる流産胎児の染色体の疫学調査を行う。自然流産の母体年齢、妊娠週数、染色体異常の内容(異常の有無、染色体別トリソミー、倍数体、染色体構造異常など)、母親の年齢階級別染色体異常割合、胎児性別の性差を解析する。 過去の流産胎児の染色体異常の文献との相違点を検討する。 研究成果を一般の人々がどのように受け止めるかのwebアンケート調査(妊娠出産を考える成人とその親世代の20~60歳代)を実施する。 以上の研究成果を学会及び学術論文に公表する。
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研究実績の概要 |
日本全国の病院から、母体流産胎児由来の組織検体が集積されている(株)SRLの流産胎児染色体分析報告データを解析した。分析対象は2000年11月から2021年3月までの20年5ヶ月間、欠損値を除いた分析データ総数は24,175件である。 母体の平均年齢は35.7±5.1歳で、経年変化は2015年までは漸増、その後は36.0~36.5歳で変化がなかった。検査時平均妊娠週数は全体では10.9週で、経年変化は2013年までは漸減、その後は10.5週前後で変化がなかった。 染色体数、性染色体で区分すると、正常女性核型46,XXは5582(23.1%, 母体検出例が含まれる)、正常男性核型46,XYは 3513(14.5%)、合わせた正常染色体核型の流産胎児9095は全体の37.6%であった(正常バリアントの436件は正常として扱った)。常染色体トリソミー女性(47,XX)は5516(22.8%)、常染色体トリソミー男性(47,XY)は5113(21.1%)で性差がなく、母体混入の影響がない。合わせた常染色体トリソミーは10629 (44.0%)と正常核型例数を上回った。三倍体は69,XXXが251、69,XXYが266とほぼ同数で、合計517(2.1%)だった。四倍体は92,XXXXが163、92,XXYYが169とほぼ同数で、合計336(1.4%)だった。三倍体と四倍体はどちらも母体高齢化の影響はなかった。 全調査数の中で母体年齢が判明している件数は20546だった。染色体正常は7565(36.8%)、染色体異常(常染色体異常+性染色体異常+倍数体など)は12981(63.2%)で異常の方が多かった。染色体異常の割合は母体年齢が高くなるにつれて増加傾向だった(少数例の45歳以上を除く)。常染色体トリソミーの中で多い染色体番号は順に、No. 22、16、21、15、13、18だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
20年5ヶ月間の検査データ合わせて24,175件の膨大な胎児染色体分析データを得ることができた。これらの統計解析を一部終了し、詳細な解析へ進んでいる。したがって当初の計画通りおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後既存の報告データとの参照、新規に見出した結果の検討を重ねる。ついで学会発表と国際学術雑誌への投稿準備に入る。 また20歳代前半の妊娠前女性(未婚、既婚)妊娠経験者、30歳代の妊娠前女性(未婚、既婚)、妊娠経験者などを対象に、本研究の概要に関する情報を提示し、それに関するアンケート調査を計画している。
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