配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究実績の概要 |
2000年11月から2021年3月まで20年5ヶ月間に全国の病院から株式会社エスアールエルに解析を依頼された流産胎児由来組織の染色体検査結果を研究対象とした。解析総数は24,175例となった。その染色体核型の内訳は正常染色体8,726例(36.1%)、性染色体異常1,298例(5.4%)、常染色体トリソミー9,735例(40.3%)、常染色体モノソミー73例(0.3%)、倍数体840例(3.5%)、その他の染色体構造異常512例(2.1%)、モザイク2,991例(12.4%)であった。モザイクを除いた母親年齢が明らかな例数は18,013例で、常染色体トリソミーは母親年齢と正の相関があった。染色体数別にみると、常染色体トリソミーは多い順にトリソミー22, 16, 21, 15, 13, 18, 14, 20だった。常染色体モノソミーはモノソミー21と22が検出された。トリソミー22, 21, 16, 15は母体年齢の高年齢化と強く関連していたが、トリソミー18, 14, 13は母体年齢の高年齢化とはあまり関連していなかった。DNA多型解析の文献と照らし合わせると、トリソミー22, 21, 16, 15の不分離のほとんどが母方減数第一分裂で生じていた。一方、トリソミー18, 14, 13の不分離の33%以上が母方第二減数分裂で生じていた。これらから母親の年齢効果の有無は、染色体の不分離が母方の減数第一分裂または第二減数分裂で生じていることと関連していると考えられる。自然流産と選択的妊娠中絶を分けて妊娠週数をみると、流産が発生した妊娠週数だけでなく、正常核型、トリソミーの割合も大きく違っていた。胎児の性比については、トリソミー22、21、18、16、15、14、13に注目して調べたところ、トリソミー16のみ有意に女性胎児が多く、そのほかは性差がなかった。
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