研究課題/領域番号 |
21K02418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
藤掛 絢子 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 講師 (20809008)
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研究分担者 |
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90309667)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 森のようちえん / 保育者養成教育 / 学びの往還性 / 音・音楽遊び / 実習 / 保育実践現場 / 大学での実践と実習の往還性 / 音楽表現領域 / 評価ルーブリック / 保育実践力 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、保育の専門職化の議論が高まっているが、これまでの音楽表現領域における養成教育では、学生の既有経験と知識の活用力や保育実践力をいかに養成し、評価するかという点は十分に検討されてこなかった。 本研究の目的は、(1)資料・文献調査を通して、保育者志望学生に求められる力量や評価方法を探究する、(2)養成段階で育成すべき音楽表現領域の内容を検討し、独自の評価ルーブリックを作成する、(3)音楽表現領域の養成教育プログラムの実施と評価によって学生の学びの特徴や意識変化を明らかにすることである。 以上より、実習との往還を図った音楽表現領域における保育者養成教育プログラムと評価のモデル開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、保育者志望学生に求められる力量、および、その評価方法と内容を検討するため、(1) 基礎資料の収集、(2)保育実践現場との連携による保育者養成教育プログラムの構想、実施、結果の分析、(3)すでに収集しているデータの分析、および、研究成果の発表 (紀要論文、国際学会での発表・情報収集)をおこなった。
(1) 基礎資料の収集では、評価ルーブリックやスケールに関する文献、および、OECD資料等を収集し、本研究における保育者養成教育プログラムと評価ルーブリック開発のための基礎資料を得た。ここで得られた知見の一部は、次の(2)における学生の学びや意識変化を分析する際の枠組みとすることを検討している。また、音楽表現領域の保育者養成教育に関する文献を収集し、養成段階で必要とされている保育実践力やその養成の実態について検討した。 (2) 新規に研究フィールドの確保ができたことから、今年度前半期には、森のようちえんでの学びとの往還を図った音楽表現領域における保育者養成教育プログラムを構想した。後半期には、保育者志望学生を対象とし、森のようちえんでのフィールドワーク、および、大学での保育者養成教育プログラムを実施した。学生と子どもたちとの相互作用により、音・音楽遊びが創り出され、発展していくことが読み取れた。次年度の国際学会において発表するため、データ分析と結果をまとめる作業に着手した。 (3) すでに収集しているデータを分析し、公表した。まず、保育者志望学生が、自然のなかで、音とかかわって遊んだ幼少期の経験をどのように認識しているのかを検討することを目的とし、学生による記述資料をKH Coderを用いて分析し、その成果を大学紀要として論文化した。また、実習経験を踏まえた音楽表現領域における保育者養成教育プログラムを実施し、収集したデータをもとに、国際学会において2件の発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、保育実践現場での観察・調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、実施の延期が必要であると判断した。その一方で、研究フィールドとして、森のようちえんの連携協力を得たため、新規に森のようちえんでの学びとの往還を図った保育者養成教育プログラムを構想し、実施することができた。自然のなかで、音・音楽にかかわる子どもの豊かな発想や表現が生み出される森のようちえんをフィールドとし、実践研究を行うことができたことは、本研究の進展に寄与するものであると考えられる。現在、次年度の国際学会での発表に向けて準備を進めている。また、今年度は、国際学会において2件の発表をおこない、各国の研究者や実践者との情報共有や議論を深めることができた。しかし、上述したとおり、当初の計画の一部について実施を延期したため、進捗状況を「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、次の計画により、研究を進めていく。(1) 音楽表現領域における保育者養成教育プログラムと評価ルーブリックの作成に向けて、保育実践現場における観察・調査を実施する。(2) 今年度、保育者養成教育プログラムを実施し、収集を終えているデータの分析作業を行う。(3) 論文化に向けた準備、および、国際学会における研究成果の発信と情報収集を行う。
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