研究課題/領域番号 |
21K02436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清田 哲男 岡山大学, 教育学域, 教授 (20550841)
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研究分担者 |
大橋 功 和歌山信愛大学, 教育学部, 教授 (70268126)
藤原 智也 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (50737822)
藤田 雅也 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (80524339)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 創造性 / ヒューマンセンタードデザイン / ユニバーサルデザイン / 美術教育 / STEAM / 美術教育カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
児童生徒が学校教育で創造性を育むためのカリキュラムを作成するため、三つの研究をまとめ、WEBサイト、書籍、国際研究フォーラム等で発表する。三つの研究とは、①小学校から高等学校までの全国の美術教育を中心とする教育実践者の創造性カリキュラムによる授業実践成果の検証、②創造性による育成すべき資質、能力の明確化、③STEAM教育等他の創造性教育モデルとの比較検討である。
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研究実績の概要 |
本研究は、前申請の課題「創造性による課題発見・解決力を育む美術教育カリキュラム開発のための実践的研究」の継続研究にあたる。研究目的は、ユニバーサルデザイン(以下UDと表記)やヒューマンセンタードデザイン(以下HCDと表記)の概念を基軸に、児童・生徒が主体的に地域社会で新たな価値や課題を見出す視点を創造し、それらを達成、克服するために「問い」を立て、学習や探究に向かう力を醸成する美術教育カリキュラムの開発を目指すものである。しかし、令和3年度および4年度はCOVID-19による影響のため、小学校、中学校等での調査方法を変更せざるを得ない状況だった。また、令和5年度も海外との研究での往来が困難な状況が続いた。 1)創造性が社会と出会う美術教育を教育現場、研究機関に本研究の重要性を周知するために、HP『創造性が社会と出会う芸術教育(ANCS)』を開設し、創造性を高める授業の紹介や、学習コンテンツを作成、紹介している。HPにおいて授業実践内容も合わせて紹介し、その成果を研究協議会の開催や、HP上で検証している。また、研究協議会では、全国の小学校、中学校で、美術教員が中心になり、教科横断や、総合的な学習の時間でUDやHCDの考え方を基にした創造性を高める実践をすすめている。 2)COVID-19の収束にむけて、ANCSの考え方をさらに広く周知し、身体的な表現への関わりの経験によって、本研究の考え方を伝える各地で造形遊びの講習会や、神戸で100名参加規模の国内フォーラムを実施した。 3)同様に1)の成果の一部を国際的な創造性研究フォーラムをオンラインで開催し、発表予定している。美術教育をベースに学習意欲を持続させ、かつ創造的に社会との接点を見出させるSTEAM型の研究実践を行っているアメリカLesley Universityや中国、台湾の研究機関と、創造性教育とオンラインのみで協議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、国内外の研究機関と連携し、小学校から高等学校までの生徒を対象に創造性教育カリキュラム開発・検証を目指しているが、COVID-19の影響により、教育現場での調査研究だけでなく、海外の研究機関との往来もできない状況である。令和5年度では、①HP上でのANCS題材等の検討、②国際研究フォーラムの実施、③書籍出版の4項目を行う予定であったが、それぞれ以下の理由で一部計画通りに進めることができなかった。 ①については、オンラインによる検討会とその成果をまとめて発表しているが、COVID-19の影響で、研究者が現場に入っての研究ができない状況であった。ただし、後半COVID-19の収束に伴い、周知のためのワークショップイベントや、研究協議会の開催が可能になった。②オンラインで、岡山大学大学院教育学研究科附属国際創造性・STEAM教育開発センター(CRE-Lab.)主催の国際フォーラムを開催し、対面で成果の好評をアメリカ、中国、台湾と共に実施する予定でだったが、研究者の往来が、困難な状況が続き、次年度に延期せざるを得なくなった。 ③令和4年度に研究者による理論を中心とした教科横断型の授業実践の書籍を作成したが、同書籍の継続の形で、芸術教育に特化したANCSの考え方を基にした創造的な学びを中心とした書籍の編纂までに至らず、次年度の発行として延期をせざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、滞っている小学校、中学校、高等学校での実践研究者による調査を次年度以降も継続して実施する方策である。調査の方向性も定まり、現在、ワークショップイベントや研究協議会に集まった実践研究者に調査を依頼し、進めることができた。しかし、これらの成果を令和5年度に予定していたアメリカ、中国、台湾等から研究者の招聘による国際的なフォーラムシンポジウムを対面での開催が、COVID-19等の影響が残るため、困難な状況となった。令和6年度は以下のとおり、カリキュラム等の学術理論研究等、現段階の成果を英訳し、国際学会で発表し、評価を受けたい。 1)創造性が社会と出会う美術教育(ANCS)の考え方に基づき、HPを活用した新たな題材の開発とその成果を引き続き調査・考察する。 2)創造性教育を大学の高等教育でのカリキュラムを作成し、岡山大学大学院教育学研究科附属国際創造性・STEAM教育開発センターと共に、他国の知見を踏まえて検証を行い、シンポジウム・フォーラム、学術論文等で発表を行う。 3)書籍化に向けた、教育現場での質的な調査を実施する。COVID-19の今後の影響を考慮し、ビデオカメラの現場への貸与等、新しい形での関わり方で研究をすすめる。令和5年度までは、大学教育での教科横断的な教育活動での成果をまとめ、書籍化できたため、特に、芸術教育における創造性育成の研究成果についてまとめ、書籍化を含め広く周知したい。
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