研究課題/領域番号 |
21K02437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
徳永 崇 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90326497)
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研究分担者 |
多賀 秀紀 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (10824831)
河添 達也 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20273914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 作曲 / フィンランド / 作曲教育 / 音楽創作 / Opus1 / 音楽教育 / 即興 / 基礎教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、フィンランドの音楽教育における先進的な取り組みの一つである、音楽創作の教育資料データバンク「Opus1」の運用実態や成果について調査することを目的とする。Opus1は、作曲や即興演奏の入門的な指導のための教材と、その運用方法を無償で提供するデータバンクであり、音楽創作のエキスパートとは限らない現場の学校教員が効果的に指導できるよう、支援することを目的としている。本研究では、各種学校における運用の実態や、教育的な効果についての検証を行うと同時に、日本での援用の可能性についても探る。
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研究実績の概要 |
フィンランドでは,2017年に施行された芸術教育カリキュラムにより,基礎教育の全学年に作曲や即興演奏など音楽創作の活動を実施することが明文化された。これを受け,必ずしも創作教育に精通していない教員をサポートすること,また教育機会の平等性を担保することをねらいとし,作曲家や音楽教育者が中心となって作曲教育支援データバンク「Opus1」のプロジェクトが始まった。これは,作曲家達が作成した多くの教材・アイデアを無償で閲覧できるデータバンクであり,様々なカテゴリーに分類され,利用者は適宜検索が可能となっている。本研究は,この「Opus1」の実態調査,及びそれを援用した日本での教材開発を目的としている。これまで,研究代表者が1年間フィンランドに滞在し,現地においてプロジェクトの関係者らがOpus1を用いて指導している音楽教室等を訪問し,運用の実際を視察するとともに,授業をサポートするなど活動へ参加した。また,フィンランドにおける芸術教育の一端を探るために,アヌ・ランペラ氏(シベリウス音楽院)及びレーッタ・レイノネン氏(タンペレ交響楽団クラリネット奏者)を日本に招聘し,講演会を企画した。また,Opus1を実際に日本の高校教諭に教育現場で援用してもらい,勉強会を開催して,その成果や問題点について現場の教員と情報を共有した。なお,Opus1のサイトは,フィンランド語,スウェーデン語,そして英語の3ヶ国語でのみ閲覧可能であるため,日本の高校教諭が理解しやすいよう,日本語に翻訳したデータを共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の3年目に該当する本年度は,Opus1の教材を日本国内の教育現場で実際に用いる事で実証実験を行い,その効果や問題点について明らかにした上で,新たな教材開発の可能性を提示することを目標としている。しかし,協力者となる中学校・高等学校の教員に授業実践の依頼をするためには,日々の多忙な業務の中,時間を割いて頂く形になり,可能な限り負担を軽減しつつ活動を進める必要がある。本年度はこの点に慎重になりすぎ,日程調整等が進まず,想定していた数の授業実践を行うことができなかった点が,研究の遅延を招いた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の遂行にあたっては,作曲教育データバンク"Opus1"の教材を,中高等学校の教員に授業実践の中で活用してもらう必要がある。これに関しては,当該年度において,協力者とのスケジュール調整や研究内容の共有が進まず,未実施の実証実験が発生した。このため,既に協力して頂いた教員と,まだ実践していない教員を交えて勉強会を開催し,研究概要について意思疎通を図ったところである(2024年3月)。これを踏まえ,次年度は綿密なスケジュール調整を行いながら,よりストレスのない形で研究協力を依頼し,実証実験を進める所存である。
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