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小学生のレジリエンスを賦活化する体験型心理教育プログラムパッケージの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K02442
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

黒山 竜太  熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (30533468)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード小学生 / レジリエンス / 心理教育 / 動作法 / 心理劇
研究開始時の研究の概要

本研究では担任教師が簡単に実施できるストレスマネジメント教育のパッケージング化の開発を目指す。
プログラムの開発にあたり,まず1年目はレジリエンスやストレスマネジメント教育に関する先行研究を概観したうえで,児童及び教師に対してニーズ調査を実施してプログラムに含める内容を選定し,プログラムパッケージを作成する。2-3年目は実際に学級単位でパッケージングされたプログラムを実施し,その効果を検証する。2年目は主に研究者が主体となって方法を精錬し,3年目は学級担任にプログラム実施者となってもらい,実施の効果を検証する。

研究実績の概要

2023年度は小学生用のレジリエンス測定尺度の開発及び信頼性・妥当性の検証を行うことができ,その成果について学会大会での研究発表及び研究論文として発表することができた。概要としては,中学生以上において適用されていた二次元レジリエンス要因尺度(平野,2010)について,小学生でも読解可能な形に改変したものを児童約900名に対して実施したところ,平野(2010)の提示した因子構造とほぼ同様の構造が確認され,小学生においても適用可能であることが確認された。なお,学級適応感尺度との関係を分析したところ,被信頼・受容感については資質的レジリエンス要因と,また充実感については獲得的レジリエンス要因との関連の強さが示された。さらに,レジリエンスの発達的差異及び性差が見いだされた点は,児童理解を深めるうえで有用な知見であった。
また,小学5年生における授業介入プログラムを実施し,その検証を行った成果について,学会大会で研究発表を行うことができた。概要としては,小学5年生4クラス125名に対してクラスごとに45分単位での授業を行い,その前後で上述の尺度を用いて比較を行った。プログラム内容はペアリラクセイションとペアでのロールプレイング(PDRP)を主体としたもので,児童の主体性を尊重するものであった。結果として,すべての因子においてクラスおよび性別の属性に依らず授業後のレジリエンス得点の上昇が確認され,特に低レジリエンス群に分類された児童の得点が有意に上昇したことが示されたことから,レジリエンス向上のための授業プログラムとしての有意性を示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では小学4~6年生において授業プログラム介入の実証を行うことを計画していたが,コロナ禍の影響で学校への協力を要請する手続きが滞り,現状として5年生においてしか検証を行うことができていない。
また,当初の予定では最終年度までに教師による実践検証まで行うことを計画していたが,コロナ禍の影響で学校への協力を要請する手続きが滞り,2023年度までに上記の研究を行うことができていない。
そのため,研究期間を延長して引き続き取り組むこととしたい。

今後の研究の推進方策

上記の通り,今後は4年生及び6年生における授業効果の検証に取り組むことと,担任教師による実践の検証に取り組む。学校での授業時間を用いた取り組みとなるため,必ずしも計画通りに実施することができない可能性があることを念頭におき,2024年度中に可能な範囲まで実施していく。なお,これまでの実践において既に1回限りのプログラムであることの限界が示されていることから,3~5回程度,ないし年間を通じた授業パッケージ化も含めた検討を行うことを計画している。
また,取り組みの成果を学会発表及び論文としての発表を行い,広く研究成果を公表していく。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 9件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 小学校において“黙食”時間を活用したオンラインSST 講座の試み2024

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 41 ページ: 9-15

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 児童の主体性育成を軸にした保健教育の試み―授業と児童保健委員会での実践を通して―2024

    • 著者名/発表者名
      村上朋美, 黒山竜太
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 41 ページ: 35-43

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学校高学年のレジリエンスと学級適応との関連2023

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 雑誌名

      熊本大学教育学部紀要

      巻: 72 ページ: 177-184

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 不登校支援活動における教員養成系大学生の学びと課題 ―「ユア・フレンド」学生へのアンケート調査から―2023

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太, 藤中隆久, 干川隆
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 40 ページ: 83-90

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 発達障害学生のオンライン授業における困り感と支援ニーズ : ユニバーサルデザインの視点を踏まえたオンライン授業ガイドライン2022

    • 著者名/発表者名
      菊池, 哲平, 黒山, 竜太, 本吉, 大介
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 39 ページ: 169-182

    • NAID

      120007193708

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍初期における発達障害学生への学生支援機関の対応2022

    • 著者名/発表者名
      黒山, 竜太, 菊池, 哲平, 本吉, 大介
    • 雑誌名

      熊本大学教育学部紀要

      巻: 39 ページ: 57-63

    • NAID

      120007193721

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍初期における発達障害学生への学生支援機関の対応2022

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太, 菊池哲平, 本吉大介
    • 雑誌名

      熊本大学教育実践研究

      巻: 39 ページ: 57-63

    • NAID

      120007193721

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] オンラインによる被災地学習支援について2021

    • 著者名/発表者名
      塚本光夫, 八ッ塚一郎, 大塚芳生, 黒山竜太, 太田恭司, 浦川健一郎
    • 雑誌名

      熊本大学教育学部紀要

      巻: 70 ページ: 237-243

    • NAID

      120007180165

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 発達障害特性のある青少年への余暇体験に注目した心理的支援2021

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 雑誌名

      熊本大学教育学部紀要

      巻: 70 ページ: 173-179

    • NAID

      120007180174

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] PDRPを用いた小学生へのレジリエンス教育―パッケージ化を目指した取り組み2024

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      日本臨床心理劇学会第49回福岡大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校高学年のレジリエンスと学級適応との関連2023

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第42回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校における電子黒板を用いたオンライン SST 講座の試み2023

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      日本教育心理学会第65回総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生に対するアンガーマネジメント教育の効果についてーテキストマイニングによる自由記述の分析からー2023

    • 著者名/発表者名
      四辻 伸吾, 寺坂 明子, 稲田 尚子, 石田 航, 尹 成秀, 黒山 竜太, 下田 芳幸
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 学校場面で小学生の怒りが喚起される出来事に関する質的研究2023

    • 著者名/発表者名
      石田 航, 稲田 尚子, 阿部 真吾, 四辻 伸吾, 寺坂 明子, 下田 芳幸, 黒山 竜太, 尹 成秀
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 必ず来るであろう大規模災害に大学保健施設としてどのような準備をしておくべきか-カウンセラーからみた震災後の時間経過に伴う学生の様相の変化と必要な支援について-2022

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      第60回全国大学保健管理研究集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 不登校支援活動における教員養成系大学生の学びと課題 ―「ユア・フレンド」学生へのアンケート調査より―2022

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第41回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 大学におけるコロナ禍でのハイフレックス型授業の展開についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      日本教育心理学会第64回総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 大学が災害に遭った際の心のケア2022

    • 著者名/発表者名
      黒山竜太
    • 学会等名
      名古屋大学高等教育研究センター第203回招聘セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] オンライン授業における発達障害学生のニーズや困り感に関する研究(1)2021

    • 著者名/発表者名
      菊池 哲平, 黒山 竜太
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] オンライン授業における発達障害学生のニーズや困り感に関する研究(2)2021

    • 著者名/発表者名
      黒山 竜太, 菊池 哲平
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 学生相談カウンセラーと考えるキャンパスの危機管理2022

    • 著者名/発表者名
      全国学生相談研究会議、杉原保史
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      遠見書房
    • ISBN
      4866161469
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 支援のための心理学2022

    • 著者名/発表者名
      高岸 幸弘、黒山 竜太、小倉 正義、濱田 祥子、蔵岡 智子、疋田 忠寛、向井 秀文、西村 岳人
    • 総ページ数
      221
    • 出版者
      北樹出版
    • ISBN
      4779306825
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [図書] 発達障害のある子ども・若者の余暇活動支援2021

    • 著者名/発表者名
      加藤浩平, 柘植雅義, 藤野博, 野口和人, 木谷秀勝, 吉川徹雄, 河高康子, 松本太一, 吉澤昌好, 堀口智美, 黒山竜太, オザキミオ, 五里江陽子
    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      4760895566
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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