研究課題/領域番号 |
21K02467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鈴木 由美子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40206545)
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研究分担者 |
岡村 美由規 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50467784)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 道徳教育プログラム / 道徳教材開発 / 自己変容を促す教材開発 / 相互理解 / 思いやり / 道徳教育 / 教材開発 / 違いを受け入れる / 自己変容を促す / 多面的・多角的な考え方 / 違いの受容 / 生命尊重 |
研究開始時の研究の概要 |
新学習指導要領により道徳科が新設され,多面的・多角的な道徳的価値観の育成が求められている。しかしそのために必要な道徳教育の方法は十分開発されていない。そこで本研究では,まず学校・家庭・地域社会に共通の価値である「生命尊重」の「違いを受け入れる」フェーズに着目し,多面的・多角的に考え判断し行動する力を育てる道徳教育プログラムの理論的基盤を構築する。その理論に基づいて道徳教育プログラムモデルの開発を行う。プログラムモデルに基づいて道徳教育プログラムを開発・実施し,効果検証を行う。これらにより,多面的・多角的に考え判断し行動する力を育成する道徳教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は,理論的基盤に基づいて「違いを受け入れる」価値に基づいた教材を作成し,それを中心にして道徳授業と教科や体験活動を組み合わせた道徳教育プログラムモデルを開発することを目的とした。令和3年度の研究から、自己変容を促すための教材開発をする必要性が明らかになったので、違いを受け入れることで自己変容を促す教材作成に取り組んだ。 そのために、多文化共生を実現しているシンガポールにおける教育について実地調査と資料収集を行った。収集した資料に基づいて、日本人の小学生向けの教材として3つの道徳授業を含む「思いやりプログラム」を開発した。道徳教育プログラムを構成する教材開発、授業開発ならびにプログラム開発は、研究協力者の小学校教諭が担当した。 作成した道徳教育プログラムは、D生命の尊さ→ C規則の尊重→ A善悪の判断、自律、自由と責任の価値内容を含んだ教材による道徳授業を行った後で、B親切、思いやりの道徳授業を行い、相手の思いを自分のことのように思う思いやりの心をもって進んで親切にすることをねらったものである。自分とは異なる相手の考えや思いを尊重することを通して、自分にできることをしようとする心情を育むことで、自己変容を促すことを目指している。 令和4年度に、実際に小学校3年生を対象として道徳授業の実践を行ったが、道徳教育プログラムとしての効果検証は行っていない。令和5年度は、令和4年度の実践を踏まえて道徳教育プログラムを改善し、再度授業研究を行って、効果を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の計画は、令和3年度に作成した理論的基盤に基づいて、「違いを受け入れる」価値に基づいた教材を作成し、それを中心にして道徳教育プログラムを開発することであった。令和4年度は、理論的基盤である「違いを受け入れることで自己変容を促す」ことに基づいた教材作成のために、多文化共生を実現しているシンガポールにおける教育について実地調査と資料収集を行った。その結果、複数の価値に基づく教材を学習することで他者の視点を獲得し、自己変容を促すことができるとの知見を得た。得られた知見に基づいて、小学生向けの教材として、それぞれ異なる価値内容を含む道徳授業4本で構成される「思いやりプログラム」を開発し、実際に小学校で実践することができた。これらにより、令和5年度に自己変容を促す道徳教育プログラムを試行・改善・開発する基礎固めができたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に開発した「思いやりプログラム」を実践し、効果検証を行う。「思いやりプログラム」の実践について、授業における児童の意見や、ワークシートや質問紙に記述した児童の意見の分析から、自己変容が促せたかどうか検証する。 授業実践は、研究協力者の小学校教諭に依頼する。確認するためのワークシートや質問紙の開発は研究協力者である宮里智恵教授(広島大学)、森川敦子教授(比治山大学)、椋木香子教授(宮崎大学)に依頼する。 授業実践の前後で、調査を行い、得られたデータを分析して成果と課題を明らかにし、「思いやりプログラム」の評価・改善を行う。
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