研究課題/領域番号 |
21K02473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
石黒 直哉 城西大学, 理学部, 教授 (20401193)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 環境DNA / 検出技術 / 環境教育 / 希少種 / 絶滅危惧種 / リアルタイムPCR / モバイル型PCR装置 |
研究開始時の研究の概要 |
小・中学校の環境教育において、その地域に生息する希少生物を題材にすることにより、特に過疎地域でその地域を誇りに思い定着し続ける郷土愛豊かな生徒を育てる一助になるのではないかと考え、環境DNA分析手法を用いた希少生物の検出技術の確立を目指す。環境DNAとは、水中、土壌中、空気中などあらゆる環境中に放出された生物由来のDNAの総称であり、近年、マクロ生物の在不在を知る新しい手法として発展している。本研究では、越前市に生息するアベサンショウウオ、ナガレホトケドジョウ、トミヨの3種の検出手法を開発する。小・中学生が取り扱うことから、安全面はもとより手間もミスも少なく安価で迅速な検出系に改良していく。
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研究実績の概要 |
環境DNA分析を環境教育で利用するためには、従来の煩雑なろ過からDNA抽出までの過程を簡略化する必要がある。この簡易抽出法とモバイル型PCR装置を用いたqPCRやLAMP法によるオンサイト分析を行うことができれば、作業時間的にも操作効率的にも小中学校の環境教育に適用可能になると思われる。これまでの連携研究実績や地元小・中学校の教員との繋がりを考え、福井県越前市を対象地域とした。本市に生息する絶滅危惧種であるナガレホトケドジョウ、トミヨ、アベサンショウウオを対象とし、環境DNAの迅速検出技術の確立を試みている。 今年度は、サンプルの保存条件や実験条件の検討を中心に行った。 アベサンショウウオ特異的プライマー・プローブのセット2種類を作成し、種特異性の確認および実験条件の検討を行った。その後、アベサンショウウオの生息が確認できた地点の環境水を採水、10%塩化ベンザルコニウムを添加後運搬し、実験室にてステリベクスろ過(保存法2種:RNAlaterと保存液なし)とGF/Fフィルターによるろ過を行った。KANEKA簡易抽出法(高温処理あり、なし)とDNeasyによる3つのDNA抽出によるqPCRの比較を行った。同様に、モバイル型PCR装置を用いて検出の確認を行った。採水した環境水サンプルでqPCRを行ったところ、ステリベクスろ過(保存液なし)をしたものは3つの抽出法全てで検出され、モバイル型PCR装置でも同様に3つ全てで検出された。KANEKA簡易抽出法のマニュアルには高温処理をする過程があるが、今回その過程を除いた方法も試みた。その結果、従来法と遜色ない結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で、令和3年度は福井での採水作業など移動を伴う実験が進められなかった。令和4年度分の研究テーマを先にやるなど変更して多少進む事ができたが、大幅な遅れとなった。そのため、当初より1年の延長を考えていた。また、希少種のDNA検出に予想以上に手間取り当初の予定通り進行していない状況であり、令和6年度の1年延長を申請が認められたところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は抽出する際の実験過程の検討を行い、アベサンショウウオの産卵が確認できた地点での採水を行い、実験を行っていく。そして、よりよい簡易抽出法の検討およびモバイル型PCR装置やLAMP法によるオンサイト分析手法を確立することで、アベサンショウウオ、トミヨ、ナガレホトケドジョウなどの越前市の希少生物のDNA検出を目指していく予定である。
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