研究課題/領域番号 |
21K02481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
西野 真由美 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (40218178)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 道徳教育 / 徳倫理学 / カリキュラム開発 / カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学校における道徳教育カリキュラムの内容について、現行学習指導要領に示された「内容」の見直しと構造化を視野に入れて内容構成とその示し方を理論的・実証的に検討することによって、次期学習指導要領における「内容」の改訂に必要な基礎資料と理論的根拠に基づいた内容構成の選択肢を複数提供することを目的としている。 この目的を達するため、本研究では、①道徳教育の内容構成に関する理論研究、②諸外国の道徳教育における内容構成の動向調査、③研究開発学校等における実践研究分析を行い、内容構成の在り方について複数の試案を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学校における道徳教育の学習内容の構成を理論的・実証的に検討し、次期学習指導要領改訂における「内容」の見直しに向けた複数の選択肢を提案することである。この目的を達するため、本研究では、①道徳教育の内容構成に関する理論研究(徳倫理学・カリキュラム研究的視点)、②諸外国の道徳教育カリキュラムにおける内容構成の動向調査(比較教育学的視点)、③文部科学省指定研究開発学校における学校主体のカリキュラム開発の実践研究分析(実証的視点)を行うとともに、国内外の道徳教育研究者の意見集約を目的として、関連学会でシンポジウムやラウンドテーブルを企画・開催し、道徳教育の内容構成に関する複数の試案を開発する。 今年度は、①については、昨年度に引き続き、徳倫理学と概念型カリキュラム論の最新の研究動向を収集・分析するとともに、現行学習指導要領に盛り込まれた道徳的諸価値を概念的知識や永続的理解の観点から再構成する試案を作成し、内容の構造化の可能性を検討した。成果の一部は、研究会・学会で発表した。また、学習指導要領改訂の際は、各教科等における内容の示し方とも一定の統一性を図る必要があることから、各教科等における内容構成原理について、現行学習指導要領の枠組みやその根拠となる先行研究をもとに比較分析した。 ②③については、訪問を予定していた諸外国において新型コロナウイルス感染症の収束が遅れていたため、予定していた訪問調査を再度延期することとなった。他方、国際道徳教育学会は対面とオンライン併用によるハイブリット開催となったため、日本の道徳教育の内容構成の現状と課題についてオンラインで発表を行った。また、一部の研究開発学校への訪問調査も可能となったため、既存の枠組みに拠らない道徳教育カリキュラムの開発・実践状況とその成果を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、令和3年度(研究初年度)に実施予定の研究計画について、新型コロナウイルス感染症の感染状況が収束しなかったため、国際比較研究・国内の実践事例調査共に延期せざるをえず、令和4年度が実質的な研究開始年度となった。開始時点でかなりの遅れはあったものの、令和3年度に実施した理論研究に基づいて、諸外国訪問調査、国内の研究開発学校と連携した実践研究、国際学会発表、国際学会における共同シンポジウムの実施を計画した。しかし、外国訪問については、対象国の感染状況の収束が十分ではなく、再度延期が必要となった。国際学会における発表については、ハイブリット開催により実施することができた。ただし、同学会において対面での実施を予定していたシンポジウムについては、家族の病気入院による渡航中止で実施できなかったため、再度の計画変更が必要となった。他方、国内の研究開発学校への訪問調査は、一部制限による遅れてあるものの、比較的順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
諸外国のカリキュラムとの比較研究については、国際学会におけるシンポジウム開催を予定しており、研究成果を発表するとともに、諸外国研究者との意見交換を踏まえて、内容構成の選択肢の検討を進める予定である。 今後の課題として、当初は、外国訪問調査を昨年度に予定していたため、これらの訪問調査の成果を活用してカリキュラム開発に生かすための十分な検討時間が不足していることが挙げられる。諸外国の研究・実践動向や国際学会におけるレビューを活用するため、今後の進捗状況によっては、研究期間の延長も検討する。
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