研究課題/領域番号 |
21K02485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
加藤 泰弘 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (00292996)
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研究分担者 |
草津 祐介 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30765160)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 韓国の書芸教育 / 中国の書法教育 / 日中韓の比較研究 / 教員養成学 / 中国の書教育 / 書教育の教員養成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東アジア漢字文化圏の日本、中国、韓国の書教育と教員養成について、教材、指導法、教育実習等の視点からの比較・分析を行い、その意義や価値を再検討するとともに、書教育に関わる教員養成学を構築するための研究を展開する。 書教育は、文字を書くことの技能の習得と文字文化の理解・継承の二つの方向から捉えられる。これまでの研究成果を発展させ、漢字文化圏という共通の文化基盤をもつ三国における書教育の意義や価値の再構築を目ざす。また、教育現場における指導計画、学習過程、教材、大学の教員養成においては指導法や教育実習に視点をあてた実践的研究を行い、今後の書教育に関わる有為な教員養成に還元していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、東アジア・漢字文化圏(日本、中華人民共和国(以下、中国と表記)、大韓民国(以下、韓国と表記))等の書教育と教員養成について、関係法令、教材、指導法、教育実習等の視点から比較・分析を行い、その意義や価値の再検討し、書教育に関わる教員養成学を構築することを目的としている。2022年度は、新型コロナウイルス感染症により2021年度の研究が予定通り推進できなかったことを踏まえ、中国の書法教育、韓国の書芸教育の実践とその課題について、研究を推進する予定であった。 2021年に予定していた北京師範大学及びその附属学校への訪問を2022年に延期し、国際学術シンポジウムを計画していたが、新型コロナウイルス感染症が終息せず、中止となった。これを踏まえ、対面での共同研究をオンライン研究会の開催へと変更し、概ね二月に一度、共同研究者とともにZoomによる東アジア書教育研究会を企画・開催して研究を進めた。 3月には「日中韓書教育フォーラム2023 韓国の小学校における書芸教育の実践」を共同研究者とともに開催した。同フォーラムでは、光州農城初等学校及びソウル陽木初等学校で実践した書芸の授業の動画をオンラインで共有し、意見交換を行った。韓国の淑明女子大学校及び京畿大学校国際美術専攻の教員に登壇を依頼し、韓国の書芸教育の実態と授業解説を行った。中国からは北京師範大学及び山西大学美術学院の教員にコメントとを依頼した。日本からは研究代表者及び信州大学の教員が登壇、共同研究者が運営を担当し、三国から多数の研究者の参加を得た。韓国では、書芸教育の時間数が縮小される中、ICTを効果的に活用した授業が展開されており、多くの示唆を得た。また、日本の書写書道に関わる教員養成については、本学附属中学校教諭、附属高等学校教諭と連携を図りながら、特に教職大学院と学部の連携を図る教員養成研究を進展させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の対象である日本、中国、韓国において、2022年度も新型コロナウイルス感染症の終息が見られず、北京師範大学や附属学校での実地踏査や学術研究を進めることができなかった。2021年中に予定していた国際学術シンポジウム(北京師範大学)を2022年度中に延期して開催予定であったが、これも中止となった。訪問し対面での研究が難しい中、おおよそ2か月に一度、オンライン研究会を開催し、三国の書教育の実態、現状と実施上の課題、教育現場における実践等の情報交換を行ってきたが、実践的な研究を進めることは十分ではなかった。 研究実績の概要に記載のとおり、「日中韓書教育フォーラム」(第2回)をオンラインで開催し、韓国における小学校の先進的な書芸教育の映像配信を通して授業研究を行ったが、学術的研究には至らなかった。以上の状況を踏まえ、2022年度は、日本における教員養成研究を中心に行い、大学、附属中学校、高等学校の共同研究者と研究会を開催して、教職大学院と学部の連携を図るプロジェクトを進めたが、当初予定の研究計画からは大幅な変更となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、新型コロナウイルス感染症の終息が見込めることから、これまでの研究期間で計画しながら実現ができなかった中国への研究訪問を実施する予定である。また、中国において、書法教員に関わる教員養成等について座談会を、中国や韓国の研究者と企画し、比較研究及びそれを踏まえた教員養成学の構築のための基礎研究をを推進していく。また、2021年度、2022年度に開催したオンラインによる「日中韓書教育フォーラム」を日本の書写教育をテーマに企画開催をしていく。加えて、特に韓国における教科書教材の分析、学習過程等、また、日本の書写・書道教育(高等学校「言語文化」を中心とする)についての研究を進め、日中韓の比較研究を深化させていく 日本の書教育については、2022年度より高等学校学習指導要領が学年進行で実施されることから、「文字文化」の視点から、小・中学校の国語科書写から高等学校芸術科書道へと展開する授業の在り方を検討する。また、高等学校国語科の「言語文化」における文字文化に視点をあてた研究も同時に推進していく。加えて、学部の教育実習や教職大学院の教職専門実習、教職大学院修了者の現職教員と連携し、これまでの実施上の課題を明確にした上で、研究を深化させていく。以上の点から、東アジアにおける書教育の比較研究を通して、日本の書写・書道の教員養成学を構築できるよう進めていく。
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