研究課題/領域番号 |
21K02487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
栗田 真司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00195554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感性アナライザ / プロトコル分析 / 描画表現過程 / 9歳の節 / 10歳の節 / 承認acknowledgment / 自己肯定感 / 自己効力感 |
研究開始時の研究の概要 |
9、10歳頃に絵を描くことに意欲をなくす子どもたちがいる。描画の「9歳の節」あるいは「10歳の節」と呼ばれる現象である。本研究の目的は、描画活動における「9歳の節」や「10歳の節」に着目し、描画への表現意欲が低下する要因(描画主題、描画法、言葉掛け)について感性アナライザとプロトコル分析を併用して明らかにすることである。具体的には、描画実験によって実際に描く様子を観察し、ストラテジーの特徴から内的過程をモデル化する。可能な子どもについては、思考口述法による実験を行う。感性アナライザによる脳波と心拍数の計測によって、見えない学力と言われてきた意欲の解析法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、描画活動における「9歳の節」や「10歳の節」に着目し、描画への表現意欲が低下する要因(描画主題、描画方法、言葉掛けなど)について感性アナライザとプロトコル分析を用いて明らかにすることである。 まず、10歳前後の小学生に図画工作科の表現領域に関する学習意欲度調査を行い、描画に対する意欲度が低下した子どもを抽出した。保護者の承諾を得たうえで個別の面接を行い、意欲や不安を中心に内的状況を調査した。 次に意欲度の低下した子どもを被験者として感性アナライザを用いた描画実験を実施した。課題は、①想像による自画像、②鏡を用いた自画像、③想像によるチョキの手、④観察によるチョキの手、の4種類である。描画のプロセスをビデオカメラで撮影しながら感性アナライザで脳波を計測した。計測したアルゴリズムは、①interest、②like、③concentration、④stress、⑤calmの5種類である。 この結果、描くことが苦手と考えている子どもは、目、鼻、口を描く際にストレスを感じる傾向が認められ、毛髪や指を描く場合にはストレスが軽減されることが認められた。対象と似ているかどうか、つまり写実的かどうかが一目瞭然となる部位を描くことにストレスを感じている可能性が考えられる。 同時に思考口述法thinking aloudの同時報告法を用いた個別描画実験を実施し、プロトコル・データを収集した。最後にこの発話プロトコルデータをもとにプロトコル分析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
9歳以降の小学生に図画工作科の表現領域に関する意欲度調査を実施した。調査項目は①絵を描こと ②自分の顔を描くこと ③友達の顔を描くこと ④風景を描くこと ⑤運動会などの行事を思い出して描くこと ⑥ポスターを描く ⑦自分やクラスのマークをつくる ⑧版画をすること ⑨工作をすること ⑩材料から思いついたことやものをつくること である。5段階のSD法を用いた。 この後、意欲度調査によって抽出した児童に対して、感性アナライザとプロトコル分析をを用いた描画実験を実施する予定であったが、承諾してもらえる学校や保護者が見つからなかった。コロナ禍は落ち着いたが、山梨県の小学校や中学校では感染症が続いており、対面での実験や調査にはコロナ禍と同様の警戒が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
・コロナ禍やインフルエンザが落ち着く夏休みを利用して被験者の小学生、中学生を探し、調査、実験を実施する。 ・9、10歳の節(小学生)だけでなく、13歳の節(中学生)に着目して調査対象を広げ調査、実験を実施する。
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