研究課題/領域番号 |
21K02505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
平田 豊誠 佛教大学, 教育学部, 准教授 (90733270)
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研究分担者 |
廣木 義久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80273746)
小川 博士 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (90755753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 流れる水の働き / 選択運搬作用 / 粒径分布 / 破砕・摩耗作用 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
河床堆積物の上流から下流にかけて細粒化していく要因について,流水による砂礫の選択運搬作用が支配的要因だという説(選択運搬説)と破砕・摩耗作用が支配的要因だという説(破砕・磨耗説)の2つの対立する要因があり,検定教科書中にはその2つの要因の記述がある。しかしほとんどの学習者は破砕・摩耗作用を支持している。 本研究では教員や学習者がそのどちらに依った認識を保持しているかを調査し,どのように教授されているかを調査する。その結果を基に,破砕・摩耗作用よりも要因として大きいと考えられている選択運搬作用を正しく教授できるような教材を開発し,実践検証していくこととする。
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研究実績の概要 |
河床堆積物の上流から下流にかけての細粒化の成因について,流水による砂礫の選択運搬作用が支配的要因だという説(選択運搬説)と破砕・摩耗作用が支配的要因だという説(破砕・磨耗説)の2つの対立する要因があげられている。 本研究では教員や学習者がそのどちらに依った認識を保持しているかを調査し,どのように教授されているかを調査する。その結果を基に,破砕・摩耗作用よりも要因として大きいと考えられている選択運搬作用を正しく教授できるような教材を開発し,実践検証していくことを目的としている。 令和4年度では次の3点について研究を進めた。1点目,47都道府県,20政令指定都市の教育委員会(及び付随する教育センター等)を対象に,小学校第5学年の単元「流れる水の働きと土地の変化」で提示している指導案が,河床堆積物の下流方向にかけての細粒化の成因を,破砕・磨耗説か選択運搬説のどちらの指導内容を採用しているかを調査・分析した.その結果,当該単元に関する指導案が33編確認でき,成因について扱っていた指導案は14編だった.そのうち破砕・摩耗説のみを扱っていたのは11編,選択運搬説のみを扱っていたのは2編,両方を扱っていたのは1編だった.2点目,河床堆積物における粒径の下流方向への細粒化について,文部科学省検定済みの小学校理科教科書の教師用指導書がどのように取り扱っているかを調査した。その結果,教科書本文と指導書の教師向け解説に整合性のあったのが5社だった。板書例は3社が提示しており,成因について破砕・摩耗で説明しているものが2社あった。実験の提案は2社がしており破砕・摩耗に関する実験だった。3点目,選択運搬作用を認識・学習できるような教材(水路実験装置を用いた運搬・堆積採用の原理がわかる実験)の開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の研究計画において目指していた,「河床堆積物の上流から下流にかけての細粒化の認識実態の調査する」ことについて,小学生,中学生,大学生,教員に対しての調査結果および,「文部科学省検定済みの理科教科書(小学校6社,中学校5社,高等学校:地学基礎5社,地学2社)の記述内容を分析し,河床堆積物の上流から下流にかけての細粒化の成因についての記述内容を明らかにする」ことについての調査をもとした研究成果を論文として公刊することができた。 さらに,選択運搬作用を含めた正しい内容を教授できるような教材(水路実験装置を用いた運搬・堆積採用の原理がわかる実験)の開発の成果を論文としてまとめ投稿している。 加えて,単元「流れる水の働きと土地の変化」を学習前の児童が持つ河床堆積物の細粒化に対する素朴概念について明らかにするために,学習前の児童からの自由記述のアンケート調査とインタビュー調査をもとに児童が河床堆積物の細粒化の成因についてどのように考えているのか調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に得られた結果を基にして,選択運搬作用を認識・学習できるような教材(水路実験装置を用いた運搬・堆積採用の原理がわかる実験)を用いた研究のための授業を小学校5年生を対象に行い,その教材の有効性について検証する。 また,単元「流れる水の働きと土地の変化」を学習前の児童が持つ河床堆積物の細粒化に対する素朴概念が単元学習後にどのように変容したかの調査を進める。
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