研究課題/領域番号 |
21K02513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
川上 貴 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90709552)
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研究分担者 |
佐伯 昭彦 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (60167418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | データ駆動型モデリング / STEM/STEAM教育 / 社会的意思決定 / 規範的モデリング / 数学的モデル / 統計的モデル / データモデリング / 非形式的な統計的推測 / 統計教育 / 数学教育 / モデルの役割 / 学校教育 / 教師教育 |
研究開始時の研究の概要 |
よりよい予測や意思決定を志向して,データのばらつきの振る舞いを記述・説明するモデル(表現)を構成・評価・改良する営みとして,データモデリングがある。将来の不確実な状況への対応力がすべての市民に求められる現代社会において,数学教育におけるデータモデリング指導の実現化と実装化は,国内外の数学教育研究や統計教育研究が抱える喫緊の課題である。こうした課題に対して,本研究では,学校教育(子どもを対象)と教師教育(教員養成系大学生や現職教師を対象)の両方を射程に入れ,数学教育におけるデータモデリングの体系的な指導枠組みの構築とその指導枠組みの学校教育・教師教育での有用性の実証に取組む。
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研究実績の概要 |
3年次は,数学的モデリング研究や統計的モデリング研究などの知見に基づいて,数学的モデルと統計的モデルに焦点をあてた学校数学におけるデータ駆動型モデリング(DDM)を捉える枠組みを設定した.この枠組みは,以下の3つから成る:(a)DDMのプロセスにあたる,データ/文脈,数学的モデル,統計的モデルの相互作用を捉える枠組み,(b)DDMの成果にあたる,予測の進展とデータの見方の進展を捉える枠組み,(c)DDMのプロセスと成果の間の媒介にあたる,予測の進展における数学的モデル・統計的モデルの役割を捉える枠組み.そして,設定したDDMを捉える枠組みを3つの授業事例に基づいて例証した.さらに,構築した枠組みを,学校数学におけるDDMの教材や授業の開発に活用する可能性について明らかにした.具体的には,枠組みに基づいてDDMの4つの基本的な活動タイプを導出した:数学・応用指向の活動,統計・応用指向の活動,数学・構造指向の活動,統計・構造指向の活動.また,構築した枠組みに基づいて,DDMにおける教師の6つの介入場面と5つの介入方法を導出した.これらの研究成果は,国際学会の査読付Proceedings(Kawakami, 2023)として公刊された. さらに,本研究のDDMの枠組みを,STEM教育や社会的な意思決定の学際的な文脈にも拡張を試みることができた.これらの研究成果は,複数の査読付きBook chapterや国際学会の査読付Proceedingsに投稿し,採択が決まっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のDDMの枠組みを,STEM教育や社会的な意思決定の学際的な文脈にも拡張を試みることができ,その研究成果が,複数の査読付きBook chapterや国際学会の査読付Proceedingsに採択されたことが理由である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進の方策は,以下の通りである.①ICTを取り入れたDDMの教材・授業の開発・実践を通して,本研究で構築した枠組みを精緻化していくこと,②本研究の枠組みを生かして,DDMの課題設計の枠組みを開発すること,③多様で学際的なDDMの活動の可能性を実証的に明らかにしていくこと.
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