研究課題/領域番号 |
21K02519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
浅田 知恵 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10806045)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 養護教諭 / 育成指標 / 教職大学院 / 実践研究 |
研究開始時の研究の概要 |
養護教諭は感染症対策をはじめ、常に新たな専門知識や技能を習得し資質能力の向上を図る必要がある。教職大学院は、実践的指導力をもつ新人養護教諭や確かな理論と優れた実践力・応用力をもつ現職養護教諭の育成を目指している。 本研究ではまず、全国の養護教諭の「育成指標」を分析し、キャリア段階ごとに求められる資質能力を明らかにする。それを踏まえ、教職大学院における「理論と実践の往還・融合」を繰り返す実践研究のプロセスを通じて養護教諭の資質能力の向上を図り、そのプロセスを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、<研究1>全国の養護教諭の「育成指標」からキャリア段階ごとに求められる資質能力の分析・検討を行うこと、<研究2>研究1を踏まえ、教職大学院における「理論と実践の往還・融合」の手法による実践研究を通して、養護教諭の資質能力の向上を図り、そのプロセスを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより解明することを目的とする。 <研究1>では、養護教諭の「育成指標」の言語データを分析した。採用前に基礎的な知識・理解を身に付けた上で、新規採用段階では子供の心身の実態把握と目標に基づく保健室経営等、養護教諭としての実践、若手・中堅段階ではPDCAサイクルに基づく実践や健康課題解決に向けて積極的に関わること、ベテラン段階では養護教諭の視点から学校全体を視野に指導的役割を果たすとともに地域関係機関等との連携推進を図ることが明らかとなった。令和4年8月「育成指標策定の指針」が改正され、ICT活用や不登校・貧困などの課題を抱えた子供への対応等が一層求められている。そうした状況を踏まえ、キャリアステージで求められる養護教諭固有の職務に関わる資質能力の分析・検討とともに、ミドルリーダー育成や組織力の視点を提示する必要がある。 <研究2>については、養護教諭の資質能力を省察するため、教職大学院生に求めた「リフレクションシート」の記入内容に基づき、半構造化面接法により教職大学院生にインタビューを行ってきた。2021年度から予備調査と本調査を行い、教職大学院の授業や実践研究を通しての理論知や、学校実習から学ぶ実践知について、フィードバックすることで理論と実践の往還を深められると推察した。引き続き、大学直進生と現職養護教諭、養護教諭経験のある教職大学院生を対象に調査し、教職大学院における授業や実習等を通して理論知と実践知の相互作用により資質能力が向上するプロセスの分析・検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の2つの目的のうち、研究1は概ね取り組むことができている。しかし、研究2は教職大学院における学校現場での実習を通して取り組む実践研究を主軸としており、2021年度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、当初予定していた実践内容や実践時期を変更するなどの事態が生じ、実践研究への取り組みに影響が生じた。さらに、2022年8月に教員育成指標の指針が改正されたことから、養護教諭の資質能力について見直し・確認をする必要があり、当初の計画から遅れが生じたまま現在に至っている。以上の理由から、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、<研究1>については、各キャリアステージで求められる養護教諭固有の職務に関わる資質能力の詳細な分析・検討を進め、研究2の「リフレクションシート」の内容を検討・改善すること、<研究2>については、教職大学院生へのインタビューを行い、実践研究への取り組みを通して、理論知と実践知、経験知の相互作用によって生じた資質能力の向上について、「リフレクションシート」の内容と逐語録の分析を通して、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより検討する予定である。
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