研究課題/領域番号 |
21K02521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
西岡 伸紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90198432)
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研究分担者 |
北垣 邦彦 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00295809)
永井 亜貴子 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (00568678)
村上 佳司 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (10460510)
細谷 里香 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20634984)
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
鬼頭 英明 法政大学, スポーツ健康学部, 教授 (90161512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 意思決定スタイル / 青少年 / 影響要因 / 熟慮 / 直感 / 危険行動 / 意思決定 / 情動 / 認知 / 対処 / 活用 / 包括的意思決定能力 / リスク / フレームワーク / 健康安全 |
研究開始時の研究の概要 |
中学生,高校生の熟慮型意思決定に影響する情動等の内的要因や仲間の圧力,情報等の外的要因等に対する認知及び対処の能力を,また,適切な健康情報や相談者等の外的要因の活用の能力を明らかにするために,質問紙調査を行う。 さらに,調査結果を踏まえて,対処・活用能力を含む包括的意思決定能力を育成するフレームワーク(指導の内容,方法)を開発する。加えて,主な指導内容を分割して複数の中学校,高校において授業を行い,フレームワークの有効性,実用性,課題等を検証する。
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研究実績の概要 |
当該年度計画は,小学校高学年版意思決定スキル尺度(以下,高学年用尺度)をベースに,中高生を対象に,熟慮型及び直感型の意思決定能力,影響要因への対処,情報等の活用に関する質問紙調査票を作成し調査を行うことであった。 高学年用尺度の中学生への適用可能性を探るために 678人に調査を実施した。その結果,熟慮(α=.908,12項目)と直感(α=.793,3項目)の2要因が抽出され,一定の信頼性係数が得られた。課題には,熟慮の項目数の削減,直感の項目内容の検討があった。 そのため,海外の意思決定能力尺度を参照した。青少年対象の意思決定スタイル尺度及び意思決定能力尺度が有用と判断された。意思決定スタイルは,意思決定に対して反応する「習慣に基づく傾向」とされる。Hamiltonら(2016)は,大学生を対象に従来の尺度を改訂してきた。当初の33項目は精選され,最終的に合理性(≒熟慮),直感性,各5項目から構成された。意思決定能力尺度では,Bruineら (2007)のYouth Decision Making Competenceが代表的であり,リスク認知の一貫性,フレーミングへの抵抗等の具体的項目から成る。ただし項目数が94に上り,本研究において関連要因を加えると項目数は膨大になる。 一方,プログラム開発の準備のために,米国健康教育基準に対応した中高校生用健康教育プログラム(Benes S et.al., 2017)の「第6章 意思決定スキル」を分析した。その結果,スキル習得の過程(スキルの重要性等,スキル習得プロセスを示すスキルキュー,スキルの使い方等に関する理解,事例に対するスキルの活用と意思決定の演習,フィードバックと強化),及び過程の各段階に対応する9時間のプログラム(パーティ場面での意思決定,倫理的な判断,漫画における意思決定の分析等),両者の関連付けを分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
質問紙調査票の完成,調査の実施に至らず,遅れている。進捗状況としては,意思決定スキル尺度の作成の方針及び課題が明確になった。方針については,高学年用尺度をベースに,Hamiltonら(2016)の大学生対象の意思決定スタイル尺度を中心に,関連文献を参照して,項目構成を明確にして調査票を作成する。意思決定能力尺度については,Bruineら (2007)以外のいずれの尺度も項目数が多く,内容は有効と判断できるものの,使用を断念した。 一方,情動,ヘルスリテラシー等の意思決定関連要因に関する文献が報告された。
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今後の研究の推進方策 |
意思決定スキル尺度の作成については,明らかになった課題の解決のために,高学年用尺度の熟慮の項目数(12)を減少させ,直感の内容を拡大し項目数(3)を増やすこと, 一方,Hamiltonらの尺度は10項目のみであり,内容がやや一般的であるため,内容を具体化すること,さらに,同調査票が大学生対象であるため,中学生,高校生用に内容や表現を修正する必要がある。 また,米国健康教育基準における意思決定スキルについて,5年生以下,8年生以下,12年生以下の各学年段階における到達目標とすりあわせて,調査項目を確定させる。いずれについても,中高校生向けに内容や表現を修正することを目指す。意思決定関連項目については,検討が進んでいる情動,ヘルスリテラシーの項目を確定する。 さらに,意思決定スキル及び関連項目との関連性を探る危険行動等についても,調査票に含めるために検討を進める。 以上から調査票を完成させ,今年度中に中高生を対象に質問紙調査を行う。
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