研究課題/領域番号 |
21K02598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
金子 康子 埼玉大学, 教育学部, 名誉教授 (30194921)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水生食虫植物ムジナモ / 絶滅危惧植物 / 生物多様性 / 外来生物 / 環境汚染 / 環境教育 / 環境教育教材 / 絶滅危惧水生食虫植物ムジナモ / 水質・土壌汚染 / 市民活動 |
研究開始時の研究の概要 |
希少な水生の食虫植物ムジナモの消長をめぐり、過去から未来につながる時の流れの中で、関連する多様な環境問題を多面的・複合的に扱う環境教育の教材を作成することを目的とする。ムジナモは美しい姿と共に素早い捕獲運動が興味をひく。ムジナモの国内最後の自生地となった埼玉県羽生市宝蔵寺沼では、1960年代に野生絶滅状態となったが、その後半世紀を経て野生復帰といえる状態までムジナモが繁茂する環境を復元することができた。この劇的な過程で、様々な環境問題や課題が相互に関連しながら影響を及ぼしてきたことを紹介し、未来に向けて考え、活動することを促す、魅力的な環境教育の教材を目指す。
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研究実績の概要 |
埼玉県宝蔵寺沼が国内最後の自生地となった、希少な水生食虫植物ムジナモの消長をめぐり、過去から未来につながる時の流れの中で、関連する多様な環境問題を多角的・複合的に扱う環境教育の教材を作成することを目的としている。かつて掘り上げ田であった宝蔵寺沼一帯に繁茂していたムジナモは、高度経済成長期1960年代の環境変化により激減し、その後およそ半世紀にわたって野生絶滅状態が続いた。2009年より開始された緊急調査では、埼玉大学関係者が中心となり羽生市教育委員会や羽生市ムジナモ保存会と協力しながら活動を続け、宝蔵寺沼に年間を通してムジナモが生育する環境を復元することができた。緊急調査終了後の2016年からが常に10万個体を超えるムジナモが生育し、秋には100万個体を超えるまでになった。ここに至るまでの過程で「水質汚染」「土壌汚染」「開発行為」「外来生物種」「生物多様性」「市民活動」「地球温暖化」などの多様な要素が関連しながら影響を及ぼしてきたことを紹介し、未来に向けて身の回りの環境について考え、行動することを促す教材を作成することを目指している。地元関係者からの聞き取りを実施し、第2次世界大戦以降導入された除草剤や化学肥料が水質変化の主要因であり、その後宝蔵寺沼一帯で異常繁殖してきたウシガエル幼生やアメリカザリガニなどの外来生物の存在が生物間のバランスを崩壊させ、特に水生植物の生育に多大な影響を及ぼしてきたこと、また、自生地復元のために、多様な生物がバランスよく生育できる、多様な生育環境が重要であったことなどの知見を、多数の講演活動により多くの人に伝える機会を得た。これらの経験もとに、効果的なホームページやデジタル教材を作成するための具体的な検討を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までは新型コロナの影響が長引き、出前授業など対外活動を十分行うことができなかった。しかし今年度は一転、多数の講演会や出前授業を実施することができた。さらにホームページ作成やデジタル教材作成に関する具体的な打ち合わせを開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集した情報や写真をもとに、わかりやすく魅力的なホームページやデジタル教材を作成するための検討を重ねて、完成をめざす。年間を通したムジナモの生育が復活した宝蔵寺沼ムジナモ自生地の見学者が現地を見ながら学び考えることのできる教材の形式を模索したい。
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