研究課題/領域番号 |
21K02609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
江島 顕一 麗澤大学, 経済学部, 准教授 (70711646)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 修身科 / 修身教授改革論 / 『道徳教育』 / 『修身教育』 / 国民科修身 / 成績考査 / 学籍簿 / 師範学校附属国民学校 / 師範学校 / 修身科教科書 / 修身科教授理論 / 修身科教育課程 / 修身科教授法 / 修身科評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、師範学校の修身科教科書を収集・整理するとともに、それらの内容分析を通じて、戦前の教員養成課程における修身科教授理論の歴史的展開を究明することを目的としている。 師範学校の修身科教科書の歴史的研究を通じて、これまで未開拓であった師範学校の修身科を明らかにするとともに、小学校の修身科の指導法や評価法の理論的系譜を探る。
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研究実績の概要 |
本研究は、師範学校の修身科教科書を収集・整理するとともに、それらの内容分析を通じて、戦前の教員養成課程における修身科教授理論の歴史的展開を究明することを目的としている。 3年目にあたる本年度(2023年度)は、昭和戦前期における修身教授改革論の諸相を明らかにすることに取り組んだ。具体的には、明治期以降行われてきた修身教育・修身科が昭和戦前期においてどのように評価されていたのか、またその実践や研究の動向はどのように整理されていたのかを探るため、昭和戦前期に出版された修身に関する研究書および雑誌の論説を分析した。 戦前の修身教育・修身科に関しては、修身教授改革論がさまざまな時期に多様に展開された。とりわけその機運の醸成には、いわゆる大正新教育運動が大きな影響を及ぼした。もっとも大正新教育運動は、その名称通り大正期をもって終焉したといわれている。しかし、その中で展開された修身教授改革論の流れは必ずしも同様の道筋を辿ったわけではなく、昭和戦前期にも継承され、戦時体制との距離を意識しながら新たな模索が拡大していったとの指摘がある。 これに応答したのが本年度の研究であるが、そこでは明治から大正までの修身教育・修身科に関する研究と実践が精緻に整理されていたこと、また昭和戦前期という時代背景にあってその本質的な研究と実践が多様に積み重ねられていたことが確認できた。また本年度の研究を通じて、この昭和戦前期の修身教授改革論の検討は、従来の日本道徳教育史研究における修身教育・修身科に対する歴史的評価とは異なる知見を示し得る可能性を有することが把握できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目にあたる本年度(2023年度)は、昭和戦前期における修身教授改革論の諸相の検討を計画したが、おおむね順調に進んだ。 具体的には、明治期、大正期の修身教育・修身科に関する研究、実践を整理した当時の代表的な研究書1冊と雑誌論文1本を分析することができた。 2021年度は明治期、2022年度は明治期、大正期、昭和戦前期、本年度(2023年度)は昭和戦前期の修身科教授理論について研究成果を出してきたように、その歴史的展開を年代順に網羅した形で進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2024年度)は、本年度(2023年度)の研究成果を踏まえ、昭和戦前期における修身教授改革論の諸相を一層明らかにすることを推し進める。 具体的には、本年度の研究の過程で把握した『修身教育』と『道徳教育』という昭和戦前期に刊行された専門月刊雑誌に着目し、この時期の修身教授改革論の具体相を浮き彫りにする。特に従来の日本道徳教育史研究でほとんど着目も言及もされてこなかった『修身教育』について検討する。また両雑誌の比較検討も行い、当時の修身教授改革論の射程と到達点を捉えることに取り組む。
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