研究課題/領域番号 |
21K02640
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 智美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (80240076)
|
研究分担者 |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 名誉教授 (30212294)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | カナダ / パスウェイズ・トゥ・エデュケーション / 進学機会 / 社会経済的 / オンタリオ / 低所得 / コミュニティ / 中等後教育 / 大学 / 進学 / 機会 / トロント / プログラム / アウトリーチ / 地域社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、低所得層の大学進学機会拡大を目指すカナダの大学のアウトリーチ・プログラムを分析することにより、大学の進学機会均等化対策の可能性と課題について解明する。アウトリーチ・プログラムを通して大学が機会均等という社会的課題に取り組み、地域社会に貢献する実態を明らかにし、大学の役割と貢献について問う。アウトリーチ・プログラムには地域社会の資源と協働し初等教育段階から学力や意欲の形成過程に関わり、大学進学への動機付けを促す独創的な内容が含まれている。カナダの大学の社会的課題への取組みを究明することは、奨学金制度拡充の次段階の議論として日本の大学が果たすべき役割と貢献について追究する下地となる。
|
研究実績の概要 |
2022年度はコロナ禍で予定していたカナダ出張がかなわず、文献,資料によって研究を進めた。中等後教育(PSE)への進学率が急速に上昇し、教育における公正についての関心が世界的に高まっている。特に、PSEの進学機会には社会経済的背景によって差があることが明らかになっている。本研究では、まず、教育における公正の考え方について整理し、次いで、カナダ・オンタリオ州の中等教育におけるストリーミングがPSEへの進学機会に影響を及ぼし、その影響は社会経済的背景と関わっていることを考察した。 オンタリオ州では、蓄積された研究の結果、低所得層、人種、支援を必要とする子どものPSE進学機会が、ストリーミングのアプライドかアカデミックかの選択によって異なり、さらに後の労働市場への移行とその後の人生に影響を及ぼすことが明らかである。オンタリオ州で独自に行われている9年生段階でのストリーミングという6つのコア科目の選択に対しては教育関係者からも批判されてきた。オンタリオ州政府は2009年、2014年、2017年に教育政策・計画を公表し、公正な教育を促進するよう努めてきた。 ストリーミングに関する研究成果、OECDの勧告、BLack Lives Matterに代表される公正に対する社会的な関心の高まりが契機となり、2020年、州政府は2021年9月から9年生の数学の脱ストリーミングを公表し、翌2022年9月からは9年生の完全な脱ストリーミングが公表された。脱ストリーミングは従来ストリーミングの賛成派からも反対派からも今後その成果が注目されるであろう。 NPOであるパスウェイズ・トゥ・エデュケーションは、低所得コミュいニティで地域基盤の包括的な支援を積極的に展開してきた。2022年現在では、カナダ全土の31箇所で活動しており、低所得層の子どもの中等教育修了率やPSE進学率を上昇させることに貢献している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来であれば、カナダに出張し、大学のアウトリーチ活動の内容や成果、地域の支援活動などについて、大学や地域において聞き取り調査を実施する予定であった。しかしながら、コロナ禍のために出張することができす計画を変更した。そのため、本年度の研究を資料、文献等による調査研究に変更した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はカナダ出張を実施し、大学のアウトリーチプログラムやその成果についての聞き取り調査、またコミュニティにおいての支援プロググラムや活動について聞き取り調査を行い、報告書にまとめる。
|