研究課題/領域番号 |
21K02646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
中渡瀬 秀一 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 特任研究員 (90599896)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 人文学 / 人社系 / 研究評価 / 学術動態 / インデクス / 生成系AI / 学術書籍 / 学術分析 / 分析基盤 / 研究分野 / 研究図書 / 指標 / メトリクス / 学術 / 研究成果分析 / 学術書 / 書誌情報 / 学術計量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,人文系分野等の研究成果特性に基づいた成果分析を可能とする分析基盤の構築を目的とする. 本研究では,成果発表形態において理工系研究分野とは異なる人文系分野等に着目し,助成金報告書や公開著作目録の横断分析によりその特性を明らかにする.さらに研究では同特性に適合した分析のための情報源,及びそれらの分析機能を有する基盤の構築を行う. 計画項目は,①人文・社会科学系の研究分野における成果形態の解明,②分析用情報源の構築,③成果分析機能の構築である.
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研究実績の概要 |
学術研究における成果発表の形態は各分野によって異なっている。そのため、研究成果の分析もその形態を反映して行われる必要がある。本研究は、特に理工系分野とは異なる人文系分野等の発表形態特性に適合した成果分析を可能とする分析基盤の構築を目的としている。 この目的に沿って、本年度はまず本研究が対象とする人文系等の個別研究分野を特定するための調査研究を以下のように進めた。 情報源として、科学研究費助成事業の研究成果報告書のデータベースを利用し、全研究分野について成果の発表形態に関する特徴を分析した。分野については、研究課題の審査区分(大・中・小区分)に準拠して階層的かつ粒度別の比較を行った。調査の結果、以下の点が実証的に明らかになっている。 第一に、人文系や社会科学系(人社系)の分野(大区分のAグループ)に限り研究成果の図書比率(グループ内平均)が、それ以外の分野(Aグループ以外の全て)と比較して概ね10倍以上である。 第二に、人社系の下位分野(小区分レベルの約60分野)の大半では、この比率(分野内平均)は0.1~0.2の間であるが、特に美術史、日本史、ヨーロッパ史、新領域法学、国際関係論に関連する研究分野ではこの値が高い。一方、文化財科学、理論経済学、経済統計、経済政策、公共経済、金融論、家政学、教育工学、科学教育に関連する分野では、理工系分野に近い値となっている。これらの調査結果については学会で発表を行った。 このように、本基盤が対象とする研究分野では成果の図書比率が高いため、図書に関する情報を入手・分析できることが必要である。そのため、学術情報を公開情報源を利用して探索的に調査するツールの作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度計画の中心は、これまでの調査によって絞り込まれた研究分野の探索範囲から、本研究の対象となる個別研究分野を特定することであった。対象の候補としては、数分野(小区分レベル)が特定されている。 次に、これらの分野に関連するデータを収集するためのツールを内製および委託によって開発している。ただし、2022年後半に登場した生成系AI技術を導入するために、開発の仕様や実装内容の再検討を行っている。また、それに適した委託先を確保する必要もあり、進捗に遅延が発生している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、前年の調査によって特定された対象研究分野の成果情報をシステム的に収集するためのツール開発を進める。 次に、収集した情報を分析に適した情報源として構築するための基礎データの構造やその整備方法について検討する。 データの収集、構造化、および分析の各処理については、前年に登場した生成系のAI技術を積極的に導入できるよう検討する予定である。 また、これらの成果は学会発表や論文化によって順次公表していく。
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