研究課題/領域番号 |
21K02649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
新谷 由紀子 筑波大学, 利益相反・輸出管理マネジメント室, 教授 (40333281)
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研究分担者 |
菊本 虔 筑波大学, 利益相反・輸出管理マネジメント室, 名誉教授 (50284229)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 利益相反 / 大学 / 利益相反アドバイザー / 教材 / 産学連携 / テキスト |
研究開始時の研究の概要 |
日本の大学では、利益相反マネジメント体制の整備についてはある程度進展してきたものの、利益相反マネジメントの実質が伴っていないことが明らかとなってきた。その要因の一つとして身近に利益相反問題について相談できる利益相反アドバイザーがいないことがあり、現場の教職員からもすぐに相談できる利益相反アドバイザー設置の要望が伝えられている。 そこで本研究では、日本の大学における利益相反アドバイザーを養成するためのカリキュラムに関する研究開発を進め、さらに養成講座で使用する教材を開発して利益相反アドバイザーの養成に寄与し、利益相反マネジメントの実質化に資することを目的とする。
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研究実績の概要 |
産学連携を推進するに伴い、大学に利益相反問題が生じてくることは避けることができない。こうした大学での利益相反問題に対処するため、これまで文部科学省が主導して各大学における利益相反委員会の設置など利益相反マネジメントの体制が整備されてきたが、種々の調査研究等から、これらのマネジメントの実質が備わっていないことが明らかとなってきている。 大学の利益相反マネジメントを実質的なものとするためには利益相反に関連した幅広い知識を持つ利益相反アドバイザーを養成・配置して安定的に対応することが効果的である。このため本研究は、利益相反アドバイザーを養成するためのカリキュラム及び教材に関する研究開発を進めることを目的とした。 本研究においてこの課題に応えるために、2021年度は、大学の産学連携活動等の現場で具体的にどのような利益相反事例が起きているかというアンケート調査を実施した。この調査結果をもとに、当該事例に係る利益相反問題を明確化して、利益相反アドバイザーに求められる知識と、対応に必要な技術・態度等を網羅的に整理した。2022年度は、これらの成果を踏まえて、大学における利益相反アドバイザーのための基礎知識をまとめた教材「大学における利益相反マネジメントの理論と実践-利益相反アドバイザーの養成を目指して-(基礎編)」を作成した。同テキストにおいては、「第1章 利益相反とは何か、利益相反マネジメントはなぜ重要か」、「第2章 大学と産学連携に関する制度・法令」、「第3章 国立大学の会計・契約制度」、「第4章 国立大学の兼業等に関する制度」、「第5章 知的財産権に関する法令」、「第6章 人を対象とする研究に関する制度・法令」、「第7章 医薬品・医療機器、健康食品に関する制度・法令と大学の関係」、「第8章 最近の新たな制度~国立大学法人の出資~」、「第9章 研究インテグリティ」に分けて執筆・刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は、2021年度に実施したアンケート調査をもとに、論文「大学における利益相反問題の具体的事例に関する一考察」(新谷・菊本)を取りまとめ、2022年4月に学会誌に発表した。また、同調査研究の成果は、同年6月に学会予稿集においても発表した。 また、同年度中に大学における利益相反アドバイザー養成のために基礎知識を習得するための教材作成に取り組み、2022年12月に「大学における利益相反マネジメントの理論と実践-利益相反アドバイザーの養成を目指して-(基礎編)」にまとめて30部印刷し、関係各所に配布するとともに筑波大学利益相反・輸出管理マネジメント室のウェブサイトやつくばリポジトリで公開した。 調査研究は順調に進んでおり、2023年度に作成予定の利益相反アドバイザー養成のための教材の応用編作成に前年度前倒しで執筆を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、教材『利益相反アドバイザーの実践』の執筆、印刷、配布、ウェブサイト掲載等に取り組む予定である。具体的には、最新の利益相反事例とその対応例について収録した実践編の教材を作成する。2024年度は2021~2023年度の調査研究を踏まえて、動画教材の作成に進む予定である。
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