研究課題/領域番号 |
21K02657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大澤 公一 京都大学, 高大接続・入試センター, 特定准教授 (20555320)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高等教育 / 教育心理学 / 言語運用能力 / CEFR / テスト理論 / 統合的測定・評価 / 項目反応理論 / テスト等化 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の大学入試改革においては,受験者の学力や適性・資質の多面的・総合的評価が求められる。しかしながら,言語能力に着目すると,新しい学力観(cf. 学力の3要素,CEFR)に基づいた言語運用能力評価の準備が整っているとは言い難い。母語や外国語の複言語的運用能力の養成およびCEFRに基づくタスク・モードベースでの言語能力評価の枠組を両立させるため,母語(日本語)と外国語(英語)の能力モデルを同一の参照枠組で記述する。その上で,日本語および英語運用能力の多面的・統合的な測定・評価のための評価基準の枠組や技術的方法を,現代テスト理論(項目反応理論,テスト等化法)の枠組で研究する。
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研究実績の概要 |
日本語(母語)能力および英語(外国語)能力を統合的に測定・評価するための技術的方法論を,現代テスト理論(項目反応理論,テスト等化法,パフォーマンスアセスメントなど)に基づいて開発することが本研究の目的である。CEFRに基づく英語(外国語)運用能力の評価法に関して,京都大学の学部新入生を対象としたアンケート調査を継続的に実施している。2024年4月時点での累積標本数はN=11,746,CEFR能力記述文(尺度項目)は150項目となっている。累積データを項目反応理論の一般化部分採点(得点)モデルによって共通尺度化し,一次元尺度上の項目パラメタ推定値を更新した。CEFR自己評定尺度の潜在構造を推定するために,多重代入法に基づく欠測データ行列に対して探索的因子分析を適用した。言語運用能力モデルの潜在構造が,CEFRで想定されているモードと同様になるのか,あるいは日本に固有の特徴を備えた構造となるのかについて,多変量解析法に基づく検討を進めた。CEFRに基づく英語運用能力の自己評価と既存の英語テスト得点との対応関係を検証するため,アンケート調査への協力者のうち,大学入学共通テストおよび個別学力検査の英語科目の個人得点の研究目的での使用に同意を得られたものについて,CEFRに基づく英語運用能力の自己評価と客観テストの得点との間の相関関係を求めた。日本語論述データのCEFR基準に基づく共通尺度化について,CEFR補遺版の能力記述文に基づく生産的言語データの評価基準の作成を進めた。新しい言語運用能力課題の開発について,国内外の言語能力に関する大学入試問題(主として小論文や面接試験などのパフォーマンスアセスメント型試験)のサンプルを収集し,内容の形式的な分類化を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査データの蓄積が順調に行われ,英語能力自己評価の尺度構成に必要かつ十分なサンプルが収集された。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき,下位研究ごとに研究を進める予定である。令和6年度は,母語の評価方法に関する測定論的考察を中心的に進めたいと考えている。
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