研究課題/領域番号 |
21K02666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 関西国際大学 (2022-2023) 岡山県立大学 (2021) |
研究代表者 |
助川 たかね 関西国際大学, 経営学部, 教授 (10440421)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レジリエンス / 外的困難 / パンデミック / 教育改革 / 意思決定 / 心情と行動 / 海外教育機関 / COVID-19 / リモート授業 / covid-19 / 新型コロナウィルス感染症 / 授業運営 / 対応策 / 適応力 / 海外の大学 / 大学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、5ヶ国5大学の教育機関を対象として、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)への対応策と決定過程に関与した研究者や職員、学生など関係者の「心情と行動」の変遷過程を再現し検証することで、教育環境の外的困難に対する適応力(レジリエンス)を探ることを目的とする。実技や演習、現場調査など接触機会が多いことから感染対策が難しいデザイン教育を調査対象とするが、この分野に固有の課題とともに、高等教育に内在する普遍的な課題の実態を解明することで得られた教訓や可能性から、新常態下での教育環境を見据えた外的困難への適応力を探り、教育改革に活かす方策を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、5ヶ国5大学の教育機関を対象として、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)への対応策とその決定過程に関与した教員/研究者・事務職員・学生という異なる立場にある関係者の「心情と行動」の変遷過程を再現し検証することで、教育環境の外的困難に対する適応力を探ることを目的として実施している。研究は2020年のCOVID-19によるパンデミックを受けて2021年度より開始され、対象各国で感染が拡大する状況下で、関係各者への聞き取り調査をリアルタイムで実施する必要があった。2021~2023年度という当初予定していた研究期間では渡航制限や感染防止の観点から各国での現地調査は延期せざるを得ない状況にあった。そのなかで、2021年は、国立台湾大学(台湾、台北)工学院建築與城郷研究所出身の現地研究協力者の尽力によって教員・事務職員・学生への聞き取り調査を完了させることができた。2022年の延世大学(韓国、ソウル)都市計画・工学部での調査は韓国での感染拡大期に同国の水際対策が厳格化されたため、現地研究協力者による対面調査を中断した後、2022~2023年度にかけて、事務職員や学生については韓国語での意思疎通が必要となるため、調査会社への委託へと実施方法を変更した。教員に対する聞き取り調査は英語での意思疎通が可能であるため研究代表者がリモートで個別に聞き取り調査を続けている。2023年度は学内で研究補助者を雇用し資料整理を進める一方、5月にCOVID-19が5類感染症に移行したことや対象各国での入国措置が変化したことを踏まえ、年度後半に米国のハーバード大学・コロンビア大学、シンガポール大学などでの現地調査を集中的に実施すべく準備していた。しかし、研究代表者が怪我による入院と行動制限が必要な事態となり、年度末まで国内外への出張を完了することが不可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度研究計画のうち、以下の対象国調査に遅れが出ている。 1.シンガポール大学は、2023年2月に「パンデミックからエンデミックへ」と水際対策を撤廃し、入国の際の検査も緩和された。また、国内でも5月に5類以降措置がとられたことから、秋学期終了後に他国と合わせて集中的に現地調査を実施する予定だったが、研究代表者の怪我により中止となった。 2.北米の大学についても、上記と同様の理由で、現地調査が中止となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、COVID-19のパンデミック渦における調査対象者の「心情」に焦点をあてており、国外の調査にあたっては感染状況や他の外的状況といった環境の変化に柔軟に対応しながら実施方法を決定する必要性が極めて高い。そのために環境の変化に即して調査の順番を変更することは可能ではあるが、対面による時間をかけた聞き取り調査によって調査対象者の内面に迫ることこそ本研究の根幹をなすものであり、他の方法で代替することは最小限に留めるべきである。こうした事情から、2021~2023年度前半までは、研究代表者が直接、現地調査を実施することはせず、現地研究協力者による代行およびリモートでの面談を通して情報を収集・データ化してきており、2023年度後半に現地調査での聞き取りの実施をもって調査を完了するように計画していた。しかし、2023年後半に入って研究代表者が怪我による行動制限に陥ったことで現地調査がすべて中止となったことから、研究期間を1年延長し、代表者の海外渡航が可能になる2024年7月頃を目途に現地調査を実施することとした。 なお、ここまでの研究成果については、2024年7月13・14日に開催される「文化経済学会」研究大会での発表を登録済であり、台湾および韓国についての調査結果をテーマとする予定である。
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