研究課題/領域番号 |
21K02672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 京都情報大学院大学 |
研究代表者 |
青木 成一郎 京都情報大学院大学, その他の研究科, 准教授 (80596255)
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研究分担者 |
土持 ゲーリー・法一 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (00422064)
小林 信三 特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES(附置研究所), 附置研究所, 客員研究員 (70793842)
小林 祐也 京都情報大学院大学, その他の研究科, 助教 (90818220)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高等教育 / Diamond Mandala Matrix / テキスト分析 / 形成的アセスメント / 反転授業 / オンライン授業 / 国際化 / ICEルーブリック / 実践開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、研究成果が国内の大学で活用されることでオンライン授業及び対面授業での学生の主体的学びへつながるように,ICEルーブリックによる形成的アセスメントに基づく授業設計とシラバスの構成から、各授業での学生によるeポートフォリオ(ICEポートフォリオ)作成へ至る、オンライン授業実施のための一連のシステムを、独自ツールによる実践的研究により開発する。なお、大社連携及び国際連携も視野に入れている。
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研究実績の概要 |
「研究目的」は,学生の主体的学びへつなげるためにICEルーブリックを用いた形成的アセスメントに基づく授業設計とシラバス構成から各授業での学生によるeポートフォリオ(ICEポートフォリオ)作成へ至るオンライン/ハイブリッド/対面授業実施のための一連の仕組みを,LMSに依存しない独自ツールでの実践的研究により開発することとした。そのための「研究実施計画」では,(a)ICEルーブリック及びICEポートフォリオ開発,(b)ツール開発、実証実験及び実証実験データ分析,(c)形成的アセスメントに基づく評価,に分けて実施することとしている。 現在,形成的アセスメントに基づき反転授業形式により設計した授業を,独自開発ツールのdigital Diamond Mandala Matrix (dDMM) を用いて継続して実践している。学生の学習及び評価のガイドラインとしてICEルーブリックを学生へ提示した上で次の学習過程で進めている。(1)事前学習用資料やビデオでの予習(事前学習),(2)授業中のグループワーク及び発表と議論,(3)復習としての事後学習,(4)学習完了後にdDMMを裏付けとして自分の学びを振り返るラーニングポートフォリオ作成。分析対象はdDMMのテキストデータである。分析結果を国際学会などで発表し,論文を出版した(青木ら2022(論文),青木ら2022:WCCE 2022,IAUGA2022,大学教育学会第44回大会など)。また,高校生との実践の分析結果(青木ら2022:CAP2022,IAUGA2022など)や,専門知識の構造化の観点から報告も行っている(小林祐也と小林信三2022:日本教育工学会2022年度全国大会)。海外では,曼荼羅発祥の地ネパール共和国でのワークショップ実施を通してdDMMの曼荼羅としての位置づけも改めてまとめた(Nepalと小林ら2022(論文))。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、青木が統括して実施し,進捗状況は以下である。 (a)ICEルーブリック及びICEポートフォリオ開発。形成的アセスメントを踏まえて設計した反転授業を, ICEルーブリックを学生による学習及び評価のためのガイドラインとして学生へ提示し,digital Diamond Mandala Matrix (dDMM)を用いて実践しきた。学生は,事前学習で作成したdDMMとグループワークや発表・議論を踏まえて作成した事後学習dDMMを比較して裏付けとし,自らの学びを振り返るラーニングポートフォリオを作成する設計である。事前学習や事後学習dDMMのテキストデータの分析成果を学会で発表や論文を出版しつつ,ICEルーブリックのガイドラインの策定を継続中である。動詞選定は,ネパール共和国での実践の反映を進めている。国際連携については,2023年度に青木,土持及び小林祐也がカナダの教育学会STLHE2023へ対面で参加して発表を行い,連携強化を図る予定である。 (b)ツール開発、実証実験及び実証実験データ分析。学生が入力したdDMMのテキストデータ分析を行い,その結果を踏まえて,ICEモデルにおけるC及びEに分類される内容が増えるよう,ツールを改善している。例えば,ICEモデルにおけるCやEに対応するdDMMのデータが増えるには,グループワークでの議論や情報共有が重要であり,多様なグループメンバー構成を教員が行いやすくする機能や,グループワークでの意見の分類や集約をサポートする機能などを実装した。また,dDMMへ入力したデータからポートフォリオをhtml形式や電子教科書EPUB形式で出力する機能を実装済した。 (c)形成的アセスメントに基づく評価。授業は形成的アセスメントに基づき反転授業形式で設計し実践しており,学生が作成したdDMMの分析から (a)及び(b)の改善を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も青木が統括して,以下のように推進する。 (a)ICEルーブリック及びICEポートフォリオ開発。京都情報大学院大学及び他大学でのdigital Diamond Mandala Matrix(dDMM)を用いた反転授業で,学生のdDMMデータのテキスト分析などを継続し, ICEモデルにおけるC(connections)やE(Extensions)に対応する記述を増やす授業設計へ繋がるよう,ガイドライン策定を図る。実践中の授業で学生へ提示しているICEルーブリック及びラーニングポートフォリオの内容を,学生の提出物(dDMMやラーニングポートフォリオ)を踏まえて改善する。また,改善したICEルーブリックを次期のシラバスへ組み込む。国際連携については,2023年度に青木,土持及び小林祐也がカナダの教育学会STLHE2023へ対面で参加して発表を行い,連携強化を図る予定である。 (b)ツール開発、実証実験及び実証実験データ分析。学生の主体的学びへつなげるために視野を広げる点でグループワークでの議論や情報共有が重要であることから実装した,教員による多様なグループメンバー構成をサポートする機能やグループワークでの意見を分類・集約のためdDMMデータを概覽するサポート機能などを引き続き授業での実践を通して改善する。また,dDMMに入力したデータをまとめ,ポートフォリオとしてhtml形式や電子書籍のEPUB形式で出力する機能についても,実践を通して改善する。さらに意見集約のサポート機能として試験的に実装した生成AI(ChatGPT,BARD)の有効活用方法を検討する。実証実験及び実証実験データ分析は,(a)での説明のとおりである。 (c)形成的アセスメントに基づく評価。 (a)及び(b)と連携しながら,形成的アセスメントに基づき授業を構成し,授業での実証実験を通して改善へつなげる。
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