研究課題/領域番号 |
21K02680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大戸 達之 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60344892)
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研究分担者 |
榎園 崇 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30644314)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 書字障害 / 手指巧緻機能 / 視覚認知機能 / 知的発達症 / 脳性麻痺 / 痙性麻痺 / 書字障がい / 視覚認知障がい / 手指巧緻機能障がい / 視覚認知障害 |
研究開始時の研究の概要 |
運動障害児童(脳性麻痺児)における書字障害は、日常の生活・教育において児への大きな負担となっているが、医療では軽微な障害として見落とされてきた。小児で最も多い運動障害は痙直型両麻痺で、このタイプは知能や上肢機能がよく保たれており、成人期に独立した生活を目指せる児も多い。しかし指先の動きは痙性麻痺や知的発達症、視覚認知障害などの要因が複雑で書字障害へのアプローチが整理されていない。本研究では、発達知能検査、読み書きスクリーニング検査、視覚認知検査、および磁気センサーを用いた定量的手指微細運動検査を行い、書字障害に対して効率的で継続可能な新規治療アプローチの開発を目標としている。
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研究実績の概要 |
脳性麻痺児の書字障害は、知的能力障がい、手指巧緻機能障がい、視覚認知機能障がいなど複雑な要因が重なっている。特に痙直型両麻痺は現在脳性麻痺で最も多いタイプで、知的能力障害、手指巧緻機能障害、視覚認知機能障害などから書字障害を呈することが知られているが、書字障害が何による機能障害かは整理されていない。本研究では多角的に検査を行い、書字障害が手指巧緻機能障がいに起因するのが、視覚障害の影響が強いかなど、関係性を明らかにし、効率的な治療ストラテジー開発に有効であるかを検討することを目的としている。 対象となったのは、新生児期の脳室周囲白質軟化症から痙直型両麻痺を呈した脳性麻痺児4名(年齢9から17歳、男:女=4:0、在胎週数26から29週)で、全例で微細運動機能・協調運動機能を含む神経学的診察、ウェクスラー知能検査を行い、加えて指タッピング機能解析、視知覚機能検査(WAVES)、読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)が行われた。 診察では手指の微細運動機能・協調運動障害が認められ、ウェクスラー知能検査では軽度知的障害から境界域知能(FSIQ 74)であった。STRAW-Rではいずれも読みの流暢性の障害や書字の正確性に問題があった。WAVESでは視知覚(VPI)と目と手の協応全般指数の低下が認められるが、目と手の協応正確指数がよい児もおり、時間をかけて書字と行うことにより書字が改善する傾向が見られた。今回の検討では症例数が限られていたが、検査バッテリーを組むことにより症例毎の特性を把握出来ることが分かり、作業療法・ビジュアルトレーニング・書字作業時の支援など、特性に応じた支援体制・より効率的な治療を構築することが可能になると考えられた。
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