研究課題/領域番号 |
21K02683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 紀子 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (80814772)
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研究分担者 |
松本 恵 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 寄附講座助教 (50818664)
金井 講治 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50821047)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 感覚過敏 / 聴覚情報処理障害 / 自閉症スペクトラム |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム(ASD)は社会不適応に至る症例も多く、その一因として感覚特性の影響、中でも聴覚特性の影響が指摘されている。聴覚特性には「選択的聴覚注意障害」と「聴覚過敏」があり、支援に違いがあるが、臨床的に区別が困難な例が多い。聴覚情報処理障害(APD)は「聴力は正常であるが、聞き取りにくさが生じる」一群で、社会的不適応になる例が散見される。本研究の目的は、心理検査、APDの検査である聴覚検査などを組み合わせることで、ASDの聴覚特性の特徴を詳細に検討し、概念を整理することである。最終的には聴覚特性に起因する社会不適応への支援を検討することが目的である。
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研究実績の概要 |
本研究は、自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder: ASD)の社会不適応の原因の一つと指摘されている感覚特性、特に、聴覚特性の特徴を探ることを目的としている。この聴覚特性には「選択的聴覚注意障害」と「聴覚過敏」があるが、未解明なことも多く、臨床の中で両者は混同されていることも多い。両者の違いを区別することは、支援方法に違いがあるため重要であると思われる。しかし、現在これらを区別する方法は明らかになっていない。その為、本研究では、この聴覚特性を「聴力は正常でありながら、日常生活場面での聞き取りにくさが生じる」という症状を呈する一群、聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorders: APD)との関連によって区別できないか検討するものである。 具体的には、・データベースによる後方視的研究・心理検査、聴覚検査及び生育歴・生活歴聴取のインタビューを組み合わせ、1)ASDの聴覚特性の特徴(選択的 聴覚注意障害や聴覚過敏)をAPDとの関連性を検討することで客観的かつ詳細に検討すること2)ASDの聴覚特性を起因とした社会的コミュニケーション障害などの適応障害を評価することから、ASD者に生じるそれぞれの聴覚特性に起因した社会不適応場面を抽出し、具体的支援策を提案することである。現在、2023年度施行した4例を加え合計14例にインタビューと聴覚検査を施行した。また9例の聴覚検査の結果と考察を第64回児童青年期精神医学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聴覚検査に入る前のドロップアウト症例もあり、聴覚検査まで施行できた数は減少しているが、現在施行した聴覚検査の結果ならびに自記式アンケートや心理検査や自覚症状等の結果を分析している最中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在収集した聴覚検査の結果と、自記式アンケートをはじめとする心理検査結果を分析検討する予定。さらに、並行して、インタビューからそれぞれの日常生活の困りごとを抽出し、それを分類したうえで、聴覚の結果・心理検査結果との関連を検討する予定である。
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