研究課題/領域番号 |
21K02698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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研究分担者 |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 感覚異常 / 発達障害傾向 / 幼児 / 発達障害 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,発達障害傾向のある子どもが示す感覚異常を背景要因とする問題行動の機序を解明するとともに,それを基にした支援プログラム,すなわち保護者を対象とした心理教育プログラムおよび保育者に対する研修プログラムを開発したい。 具体的には,感覚異常の特性がある成人に対するヒアリング調査,発達障害傾向のある子どもを持つ保護者に対するヒアリング調査,保育者に対するヒアリング調査および子どもの特性の観察をもとに、家庭や保育場面における対応方法を保護者や保育者に提案し、実践してもらう。その効果を測定し、その結果をもとに、保護者に対する心理教育プログラム、保育者に対する支援プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
1)感覚異常の特性がある発達障害傾向のある成人に対するヒアリング調査 感覚異常の特性がある発達障害傾向のある成人にヒアリング調査を行い、幼少期に、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚のそれぞれについて、敏感すぎたり鈍感すぎたりしたことによって幼児期や小学校低学年の頃に不快感や違和感、困ったこと等がなかったか、また、感覚異常について周囲の理解がなかったために辛いと感じたことはなかったか等を明らかにした。本調査によって、定型発達の人にとって特に気にならない刺激に発達障害傾向のある子どもは困り感を持っていたこと、幼少期には何の刺激が不快であるのかが自分自身でもわからずに大人に説明できなかったケースがあることを確認した。また、これらの感覚異常を保護者や保育者、教師に理解してもらえず、叱責されたり、やる気がないせいだと言われたりしてつらい思いをしていた経験を持つ人6割以上いることも明らかになった。 2)感覚異常の特性がある発達障害傾向のある幼児に対する観察、保護者、保育者へのヒアリング調査 保育所、幼稚園、認定こども園に通っている幼児で、発達障害傾向がある子どもを観察し、保育上で問題行動を示す背景に感覚異常が関係していると思われるケースについて、保護者、保育者からのヒアリング調査を日常生活での本人の困り感等を詳細に明らかにした。子どもが抱える様々な困り感とその時々の状況との関係性から、一つひとつの困り感の背景に感覚異常が関係していないか、関係している場合にはどのような対応が効果的であるのか、その子どもに対して実行可能であるのかについて、保護者、保育者と話し合い、対応策を検討した。このようにオーダーメイドで作成した対応策を個々の子どもに実施し、その効果を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
発達障害傾向があり、感覚異常を背景として日常生活に困り感を抱える子どもで、保護者、保育者からの調査協力の同意を得られるケースを探すことに時間を要した。特に、保護者に依頼する場合に、ある程度、障害受容が進んでいるケースである必要があったことから、ヒアリング調査がなかなか進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、保護者、保育者から調査協力を得られた子どもに対して観察をして、感覚異常に起因している困り感を明らかにし、その対策を保育者、保護者等を交えて検討した上で、その効果を測定している。これまでに調査協力を得られる目途がたったため、今後、その子ども、保護者、保育者に対して調査を進めていく予定である。また、この結果がまとまったところで、効果のある対応方法をまとめ、研修プログラムを作成していく予定である。
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