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保育における障害の可能性のある外国人幼児の早期把握と支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02716
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関國學院大學 (2022-2023)
東京家政大学 (2021)

研究代表者

野澤 純子  國學院大學, 人間開発学部, 教授 (20451693)

研究分担者 石田 祥代  千葉大学, 教育学部, 教授 (30337852)
藤後 悦子  東京未来大学, こども心理学部, 教授 (40460307)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード発達障害のある外国児幼児 / 早期把握 / 就学移行支援 / インクルーシブ保育 / 発達障害のある外国人幼児
研究開始時の研究の概要

本研究では、保育所等を利用する発達障害の可能性のある外国人幼児の保育者による実態把握の方法と特別な支援の適用上の課題を明らかにする。保育所等の特別な支援に繋がりにくい外国人幼児と家庭への支援の実態から、保育者による早期把握とそれに続く特別な支援、および円滑な就学移行支援における阻害/促進要因を抽出し、早期把握と特別支援のモデルを開発し、多様で包摂的なインクルーシブ保育の在り方を呈示する。成果は論文、関連機関等へ発信し、質の高いインクルーシブ保育の確立に寄与する。

研究実績の概要

1.実態と早期把握:都市にある外国人集住地域を含む自治体の外国人幼児担当経験のある保育士231人に質問紙調査をした。項目は、事例、外国人幼児の障害の早期発見、保護者支援であった。結果を全国調査と比較した。発達上気になる行動は、言語面は外国人に特有であるが、行動面は日本人と類似していた。また筆者らが実施した全国調査と類似結果が多かったが一部地域による違いも認められた(機関連携の乳幼児健診情報の共有の違い、早期発見に必要な判断が困難な行動)。課題は事例分析による支援要因の明確化だった。2.保育現場における外国籍の特別ニーズ児への対応の課題と工夫。都市型分散地域に勤める保育所職員6名を対象に面接調査しM-GTA分析した。結果、118のエピソードが抽出され、大カテゴリー8つと32の小カテゴリーと53の概念が生成された。発達課題、情緒的問題、家庭の問題に対して複合的な支援が必要であり、子どもには遊びを中心とした支援が有効で、保護者には通訳や多言語資料、地域の専門機関との連携などが今後の課題として挙がった。3.外国ルーツ要支援児に対する小学校教育への架け橋期支援の必要性とその具体的内容、スムーズな移行に必要な手立ての明確化。職歴10年以上の小学校・特別支援学校教諭7名に聞き取り調査した。項目は、教育歴、外国ルーツ児と外国ルーツ要支援児の有無、引継情報、児童の発達支援に関するエピソード、学校と家庭との情報共有の方法であった。外国ルーツ要支援児の架け橋期支援は、外国からの転入児は情報不足から時間と労力を要し情報不足も相俟ってダブル・マイノリティ化が強化され、入学は担任間の情報共有と担当者間の相談により行われていた。情報がほとんどない外国ルーツ要支援児に関するアセスメント方法、活用できる資源が限定されている場合の資源開発・整備マニュアル開発、学校環境モデルが研究課題として浮上した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度まで新型コロナウイルスにより一部の研究計画の遂行が困難であった点について、オンライン調査等で補ってきたが、実施調査については遅れが生じている。具体的には、外国人幼児を受け入れている保育所幼稚園等の保育施設、関連機関等における実施調査の一部、国内外先進地域の実地調査が実施できなかった。 実施困難となった計画については、研究分担者、および研究協力者、研究協力機関と協議し、次年度以降に延期することとなった。面接調査はオンライン面接による一部代替措置をとったが、研究終了時までに実地調査を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

1.着手が遅れている先進的な取り組みを実施する国内外地域への実地調査、インタビュー調査を実施し、整理分析する。
2.発達障害の可能性のある外国人幼児の保育における、以下の研究を進める。これまで実施した文献研究および、調査研究で明らかとなった、発達障害の可能性のある外国人幼児の早期把握と支援の阻害・促進要因、ならびに就学前支援と円滑な就学移行の阻害・促進要因を、地域特性、支援体制、早期発見のアセスメントなどの多視点から分析する。3.その上で、発達障害の可能性のある外国人幼児の保育に関する支援マニュアル、資源開発・整備マニュアル、移行支援マニュアル等を含む手引書試案を作成し、保育者、教員を対象とした試用を通して改善・完成させる。4.保育所等における早期から就学移行期の多様性を包摂するインクルーシブ保育の在り方の呈示をする。
具体的な方法は、保育所等における手引き書の開発のため、外国人幼児の支援ニーズの把握と支援・家庭との連携の手引書試案の作成と手引書試案を保育実践に適用し、ユーザビリーテストにより試案を改善する。対象は集住地域と散在地域の両方とし、事例記録のエピソード分析とユーザビリーテストにより分析する。手引書とモデルの評価について外国人幼児担当者を対象に実践し、記録の多変量解析、適用度と満足度調査の結果を、支援促進の視点から評価する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] 保育所における外国籍の特別ニーズ児への 対応の課題と工夫2024

    • 著者名/発表者名
      藤後 悦子、石田 祥代、野澤 純子
    • 雑誌名

      日本社会福祉マネジメント学会誌

      巻: 4 号: 0 ページ: 4-16

    • DOI

      10.50965/jasmjournal.4.0_4

    • ISSN
      2436-4061
    • 年月日
      2024-03-25
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 保育所等における特別ニーズ児と保護者への支援とその体制に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      石田 祥代、藤後 悦子、野澤 純子
    • 雑誌名

      保育学研究

      巻: 61 号: 1 ページ: 7-18

    • DOI

      10.20617/reccej.61.1_7

    • ISSN
      1340-9808, 2424-1679
    • 年月日
      2023-08-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 知的障害児と家族のライフステージによる支援ニーズに関する一考察2023

    • 著者名/発表者名
      成田 実胡、石田 祥代
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University

      巻: 71 ページ: 27-37

    • DOI

      10.20776/S13482084-71-P27

    • URL

      https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900121716/

    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 特別支援教育におけるICTの利活用に関する研究動向 : 知的障害と発達障害に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      木下 武治、任 龍在、石田 祥代
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University

      巻: 71 ページ: 107-115

    • DOI

      10.20776/S13482084-71-P107

    • URL

      https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900121725/

    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 外国人幼児の障害の早期発見-担当保育者による障害の徴候への気づきに着目してー2023

    • 著者名/発表者名
      野澤純子・藤後悦子・石田祥代
    • 雑誌名

      人間開発学研究

      巻: 14 ページ: 45-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 乳幼児および学童期を育てる外国人家庭の子育ての課題と必要な支援について.2023

    • 著者名/発表者名
      藤後悦子・野澤純子・石田祥代
    • 雑誌名

      東京未来大学研究紀要

      巻: 17 ページ: 199-208

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] スウェーデンにおける特別ニーズ教育2022

    • 著者名/発表者名
      是永かな子, 石田祥代
    • 雑誌名

      高知大学教育学部研究報告

      巻: 82 ページ: 37-51

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 文化的・言語的に多様な背景をもつ障碍幼児とその家族への支援体制に関する研究―海外の文献レビューを通して―.2022

    • 著者名/発表者名
      チャンゴックチャミー・真鍋健・石田祥代
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部研究紀要

      巻: 70 ページ: 241-249

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放課後等デイサービスにおける好みの活動を通した支援―自己肯定感の視点による一考察2022

    • 著者名/発表者名
      野澤 純子, 芦沢 文子, 櫻井 恵美子, 中村 英雄, 浜中 里美, 栗原 博, 村野 志朗
    • 雑誌名

      教職センター年報

      巻: 13 ページ: 124-131

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 発達障害児の療育を意図した音楽活動に関する先行研究の検討2022

    • 著者名/発表者名
      末廣杏里, 野澤純子
    • 雑誌名

      ライフデザイン学研究

      巻: 17 ページ: 271-282

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] インクルーシブ教育理論からみた義務教育から後期中等教育への以降とその支援:スウェーデンの取り組みと課題.2021

    • 著者名/発表者名
      石田祥代・松田弥花・本所恵・渡邊あや・是永かな子
    • 雑誌名

      北ヨーロッパ研究

      巻: 17 ページ: 37-51

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 特別なニーズのある外国人園児への早期支援 ―外国人集住地域のあるA自治体の実態調査と全国調査との比較-2023

    • 著者名/発表者名
      野澤純子・藤後悦子・石田祥代
    • 学会等名
      日本福祉心理学会第21回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 保育現場における配慮が必要な外国人幼児への支援2023

    • 著者名/発表者名
      藤後悦子・野澤純子・石田祥代
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 外国人幼児の障害の早期発見―担当保育者による障害の徴候への気づきに着目して2023

    • 著者名/発表者名
      野澤純子・藤後悦子・石田祥代
    • 学会等名
      人間開発学会第15回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会的子育ての実現:多様な家族としての外国人家族を支えるために2023

    • 著者名/発表者名
      藤後悦子・野田敦史・白石雅紀・野澤純子・野澤義隆・柳瀬洋美
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 特別なニーズのある 外国人園児への早期支援 -担当保育者の早期支援に関する実態調査から-2022

    • 著者名/発表者名
      野澤純子・石田祥代・藤後悦子
    • 学会等名
      日本福祉心理学会第20回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 特別なニーズのある乳幼児と家族への保育者の主体的判断に基づく支援2022

    • 著者名/発表者名
      野澤純子
    • 学会等名
      國學院大學人間開発学会第14回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 乳幼児および学童期を育てる外国人家庭の子育ての課題2022

    • 著者名/発表者名
      藤後悦子・野澤純子・石田祥代
    • 学会等名
      日本保育学会第75回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] これから学ぶ・理解する子ども家庭福祉2024

    • 著者名/発表者名
      髙玉和子, 和田上貴昭, 稲垣美加子, 五十嵐裕子, 村田典子, 吉田直哉 , 千葉弘明, 末松惠, 野澤純子, 橋本樹, 平澤一郎 , 長瀨啓子, 大村海太 , 耕田昭子, 南野奈津子
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      一藝社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 子どもを「まもる」心理学 健やかな育ち・ウェルビーイング・心と安全2024

    • 著者名/発表者名
      出口保行・藤後悦子・坪井寿子・日向野智子
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      福村出版
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 子ども家庭支援論演習ブック (よくわかる! 保育士エクササイズ)2023

    • 著者名/発表者名
      松本峰雄, 大野地平, 我謝美左子, 小山朝子, 遠田康人, 野澤純子
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] これから学ぶ・理解する社会福祉2023

    • 著者名/発表者名
      髙玉和子・和田上貴昭・本多勇・ 野澤純子, 他10
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      一藝社
    • ISBN
      9784863592681
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 社会的子育ての実現―人とつながり社会をつなぐ、保育カウンセリングと保育ソーシャルワーク2022

    • 著者名/発表者名
      藤後 悦子・柳瀬 洋美・ 野田 敦史・及川 留美・野澤純子,他
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779516597
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] インクルーシブな学校をつくる 北欧の研究と実践に学びながら2021

    • 著者名/発表者名
      石田祥代・是永かな子・眞城知己
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      ミネルヴァ出版
    • ISBN
      9784623091027
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 障害児保育演習ブック2021

    • 著者名/発表者名
      松本峰雄, 増南太志・野澤純子他
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      462309068X
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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