研究課題/領域番号 |
21K02723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
小倉 靖範 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10827918)
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研究分担者 |
三浦 光哉 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (10344780)
佐藤 貴虎 旭川大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10529770)
立田 祐子 中部大学, 現代教育学部, 准教授 (70869982)
池田 彩乃 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (70878470)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 特別支援学校 / カリキュラム・マネジメント / 協働性 / 全員参画 / グランドデザイン / 教育課程 / 組織マネジメント / 学校教育の改善 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、特別支援学校において、学校教育の改善に結び付く「協働性」を基盤としたカリキュラム・マネジメントモデルを構築することである。カリキュラム・マネジメントには、「教育活動」と「経営活動」からの学校教育の改善という二側面がある。一方で、ティーム・ティーチングが主流となる特別支援学校においては、教職員間の「協働性」を構築することも期待される。教職員間の「協働性」が通常学校以上に求められる特別支援学校において、教育課程の改善システムや組織構造、校内研修体制、そられを支える学校長のリーダーシップやミドルリーダーなる教師の役割を先駆的な実践校、地域の取組を通して明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、特別支援学校のカリキュラム・マネジメントを「教育目標の具現化」「カリキュラムのPDCA」「組織構造」「学校文化」「リーダー」「家庭・地域社会等」「教育課程行政」の7つの要素(田村知子,2016他)から検討し、主に以下の2点について取り組み、その成果を発表した。 1.書籍の刊行 初年度の研究成果を書籍『特別支援学校が目指すカリキュラム・マネジメント~参画チェックリストと7つの要素を動かす15の仕掛け~』にまとめ、刊行した。書籍内容の概要は、次のとおりである。①特別支援学校が目指すべきカリキュラム・マネジメント、②初任者や学級担任、学部主任、各校務分掌主任、外部専門家、教育委員会、児童生徒、保護者などを含め、関係者全員の参画を促す「参画チェックリスト」、③「協働性」を発揮させながら7つの要素を動かすために必要な“仕掛け”、④学校経営評価のための特別支援学校版「学校経営実績評価シート」、⑤カリキュラム・マネジメントの実践事例(3校) 2.先駆的実践校を対象とした事例研究 【研究1】先駆的実践校におけるカリキュラム・マネジメント導入期の取組を7つの要素に沿って、時系列に沿って整理した。結果、特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントを円滑に機能させるためには、学校課題が校内において共有され、授業改善や教育課程改善の下支えとなる「協働性」が、学校文化となっている必要性が示唆された。本研究成果を日本特殊教育学会第60回大会にてポスター発表した。 【研究2】学校長のリーダーシップに焦点を当て、学校内に「協働性」を構築するための要件を検討した。教職員全員の学校経営への参画意識を高めることに加え、キャリア発達という視点をもって学校経営に当たることが、校長に求められるリーダーシップの一つであることを確認することができた。本研究成果を「障害者教育・福祉学研究」第19巻に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該年度は、先駆的にカリキュラム・マネジメントに取り組んできた特別支援学校や地域において聞き取り調査や意見交換を実施し、校長のリーダーシップやミドルリーダーとなる教師の役割を明らかにした上で、特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントのプロセスモデル(試案)を作成し、検証作業を進める予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症拡大の影響等により事例データの収集・分析が遅れており、特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントのプロセスモデル(試案)を作成するまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、2021年度~2023年度の3年間の研究計画であった。しかし、初年度に予定していた先駆的実践校と地域での聞き取り調査や参与観察等が、当初の計画通りに実施することが困難な状況となり、事例データの収集・分析が遅れている。そのため、研究計画の延期を申請し、4年間での研究としたいと考えている。
引き続き、先駆的実践校と地域での聞き取り調査、学校を訪問しての参与観察等を進めるとともに、東北地方の肢体不自由特別支援学校10校を対象に実施したアンケート調査とその中の4校の教務主任(ミドルリーダー)を対象に行ったインタビュー調査の分析を進める。そして、日本特殊教育学会第61回大会にて自主シンポジウムを企画し、結果の報告と肢体不自由特別支援学校に求められるカリキュラム・マネジメントに関する討論を行う。
上記の知見を踏まえ、特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントのプロセスモデル(試案)を作成し、検証作業を進める。
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