研究課題/領域番号 |
21K02737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
山本 晃 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 上席総括研究員 (70804996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 抽象語 / 言語力 / 言語指導 / 聴覚障害教育 / 特別支援学校(聴覚障害) |
研究開始時の研究の概要 |
聴覚障害児は、抽象語の習得に課題があるとされ、言語や学力の面で伸び悩む場合が多い。これまで、聴覚障害児童生徒(小・中学生段階)の抽象語理解力については、石坂・三浦(2009)や國末・福島(2010)によって、抽象名詞の理解を中心とした報告はなされているものの、抽象名詞以外も含めた多様な抽象語を用いて聴覚障害幼児児童生徒全般にわたる抽象語理解について調べた研究はない。
本研究の意義は次のようなことである。①聴覚障害児の抽象名詞以外も含めた多様な品詞を含めた幅広い対象の抽象語全般の理解に関する研究となる。②全国の聾学校からは、抽象語の理解度に関する評価方法のニーズに対する基礎的資料の提供となる。
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研究実績の概要 |
聴覚障害児童生徒の抽象語の獲得状況や発達的傾向を調べるために、その測定に用いる抽象語の選定とその量を検討することを目的とした予備的調査を行った。調査対象は,全国の特別支援学校(聴覚障害)の中から9校に在籍する幼児児童の保護者と児童生徒本人とした。幼稚部並びに小学部1・2年生については保護者が評価を行った。調査には、幼稚部35名、小学部低学年21名、小学部中学年15名、小学部高学年12名、中学部75名、高等部82名合計240名から回答を得た。63問中、小学部中学年以上、正答率が伸び続けた単語が45題あった。そのうち15題は保護者が評価した小学部2年生までで、小学3年生以上の正答率を超える単語があった。予備調査結果を踏まえ、より精度の高い調査問題を作成した。①あらためて阪本一郎『新教育基本語彙』学芸図書,1984年の 19,271 語から「抽象語(名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞)しぼり込みを検討。②19,271 語について、A1からC4まで難易度別品詞別にエクセルシートに整理。③9名の小学校免許を取得している教職大学の大学院生に単語が具体語か抽象語かの判別を依頼。④この後、3名が同じ評価をした単語のみを抽出したファイルを作成。⑤各レベル品詞ごとに3人の院生の評価が一致したものを整理。⑥次に、2名の高等学校国語科の現職教員に、絞り込んだ単語を、再度具体語か抽象語かの判別を依頼。⑦この後、2名が同じ評価をした単語のみを抽出したファイルを作成。⑧これらの作業から絞り込んだ単語を使用し、各レベル、ランダムサンプリングによって、調査単語を抽出した。⑨調査単語は再度2名の高等学校国語科の現職教員に、適切か検討を依頼。⑩決定した単語を使い、問題を作成し、再度現職教員に問題の適切さを検討依頼し、問題を確定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備調査を踏まえ、本調査で使用する抽象語(一部具体語)の抽出を慎重に、精度が高くなるよう行ったため、さらに問題文作成を現職の教員の方々とやりとりもしながら作成したため、調査の検査問題文作りに時間を想定以上に要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究を推進するために、令和5年度に作成した検査問題について、検査問題の作成自体を学会発表並びに論文投稿する。さらに、この検査問題を用いた調査を、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校(聴覚障害)において6月から9月に実施する。調査結果は年内にまとめ、論文投稿を行う。
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