研究課題/領域番号 |
21K02745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
森 雄一郎 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (50274361)
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研究分担者 |
高木 昇 富山県立大学, 工学部, 教授 (50236197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 視覚障害者支援 / 感覚代行 / スピーカアレイ |
研究開始時の研究の概要 |
視覚障害者向けの理系科目の教育現場,およびその学習場面においては,様々な物理現象やその数理的原理のイメージを表現するために,図やグラフ,更にそれらの変化の様子を動画などで表現した視覚表現が極めて重要な役割を果たす.視覚障害者の場合,視覚表現の代替え手段として触図を用いるが一目で把握することは出来ず,更に動画のような動的な情報の表現には向かない.本研究では,2次元のアレイ状に配置されたスピーカアレイ上で音を自在に動かし制御することで,触図では表現する事が困難な動的情報を直感的な音の動きとして表現し,触図と組み合わせることによって視覚情報の新たな感覚代行手段としての一手法を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目的である,スピーカアレイを用いた視覚的情報の伝達において触図とは違った直感的な即時性の実現や形状の伝達,更に動的情報を表現可能とする感覚代行手法の開発を目標として研究を進めてきた.研究実施計画では初年度に,研究に用いるより高性能で高機能な新たなスピーカアレイを設計・開発する事を計画していた.現有のスピーカアレイでは実現できないより複雑な動作や高精度を実現するためのものである.以降の研究計画はそれを利用して,「2.スピーカアレイの情報伝達能力の解明」や「3.触図とスピーカアレイの相互作用の解明」へと進める計画である.新しく設計開発するスピーカアレイに盛り込むべき性能や要件を確認し,その試作を繰り返し,その設計のための技術仕様を洗練する作業を行っている.初年度から計画の2.に重点を置き,計画に遅れがでているものの,具体的に基本的性質の解明も様々な角度から実験等を行い,その表現能力についても一定程度の知見を得ることができた. その結果を基に触図との連携やそれに必要な新たなスピーカアレイの使い方や求められる機能など,様々な角度からスピーカアレイの仕様検討を進めてきた.それらに基づき新しいスピーカアレイの製作も進めているところである.そのための製作に必要な機器や部品の選定,高精度な工作を達成するための設計手法の見直しや,それを操作する人員の技術向上が行われ,充分な製作技術のもと,高機能かつ柔軟な操作が可能な第2世代のスピーカアレイの製作を進めており,年度内にほぼ完成の予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的である,スピーカアレイを用いた視覚的情報の伝達において触図とは違った直感的な即時性の実現や形状の伝達,更に動的情報を表現可能とする感覚代行手法の開発を目標として研究を進めてきた.研究実施計画では初年度に,研究に用いるより高性能で高機能な新たなスピーカアレイを設計・開発する事を計画していた.現有する従来(当研究室による製作)のスピーカアレイでは実現できないより複雑な動作や高精度を実現するためのものである.以降の研究計画はそれを利用して,「2.スピーカアレイの情報伝達能力の解明」や「3.触図とスピーカアレイの相互作用の解明」へと進める計画であるが,新しく設計開発するスピーカアレイに盛り込むべき性能や要件は,現段階にておおよその設計のための技術仕様は纏まっているが,触図との連携を考えた新しい感覚代行の手法が一定程度固まらないと,スピーカアレイの仕様は固まらず,それらの検討と新しい設計方針や装置の仕様を並行して進めている. さらに製作に必要な機器や部品の選定,高精度な工作を達成するための設計手法の見直しや,それを操作する人員の技術向上をより強く進めている.当初の計画と比べると,触図との併用の検討も同時に進める為,製作面において遅れが出ている.先の研究で装置の精度が大きく結果に影響する事が明らかになっており,また機器の性能・機能が機能や利用法を大きく制限してしまう為,設計・製作は慎重に進めざるをえず,後の研究をより発展させるために熟慮して進めている.
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今後の研究の推進方策 |
先にも述べたが,後の研究をより発展させるため,触図との併用の検討も同時に進め,新しく設計開発するスピーカアレイに盛り込むべき性能や要件を精査し,スピーカアレイを完成させる.そしてそれを用いて「3.触図とスピーカアレイの相互作用の解明」に着手し,スピーカアレイを使った触図との関係を明らかにし,新しい感覚代行の手法を提案していきたい.
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