研究課題/領域番号 |
21K02751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
阿尾 有朋 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (10824906)
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研究分担者 |
星山 麻木 (柳沼麻木) 明星大学, 教育学部, 教授 (70304558)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 重度・重複障害 / 教員の専門性 / 実践的指導力 / 教員養成 / リフレクション / 特別支援教育 / 重複障害 / ビデオ教材 / 重症心身障害 / 特別支援学校教諭 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、特別支援学校の重複障害学級における児童生徒の在籍率は高い水準にあり、教員には重複障害に関する高度な専門性が求められている。しかしながら、重複障害は特別支援学校教員養成の必修科目とはなっていない。一方、大学における重複障害領域に関する養成の実態についてはよくわかっておらず、また養成のための効果的な指導法の検討も見当たらない。そこで、本研究では、①重複障害領域に関する養成の実態解明、②養成プログラムの開発、③当該プログラムの効果の検討、以上の3点に取り組み、重複障害領域の養成の在り方についての知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
特別支援学校教諭の教員養成について、重複障害領域の専門性とは何かをテーマとする文献調査を実施し、調査に基づく論考を紀要論文としてまとめた。当該調査から、国の施策における「教員の専門性」は実践的指導力を中心とした不易の資質能力として示されてきたことが明らかとなった。一方、特別支援学校教員の専門性については、障害の多様化や重度・重複化に対応できる資質能力(≒実践的指導力)が問われ続けてきたことが分かった。ただし、専門性の中身については研究者間で見解が分かれており、曖昧なままである。そこで、本研究では教員の職業特性を踏まえ、省察(リフレクション)を中心とした専門性のモデルを提起した。すなわち、「日々の実践の省察から対象実践についての理論(小文字の理論)を構築し、それを校内で共有する」力を重度・重複障害教育に係る教員の専門性に位置付けた。 2年目以降は本モデルを基礎とした養成プログラムの試作を計画しているが、それにあたり大学における養成の実態を明らかにするための調査を実施した。特別支援学校教諭の養成課程を有する全国の国公私立大学167校に調査用紙を送付し、65校から回答を得た(回収率38.9%)。調査から、回答校の内①25%で「重複障害」を冠する科目がないこと、②50%が「重複障害」科目に授業実施における固有の難しさを感じていること、③「重複障害」科目で取扱う対象は重症心身障害・盲ろう・医療的ケアとその他障害の重複が最も多く、次いで重症心身障害・医療的ケアとその他障害の重複が多いこと、④「重複障害」科目で取扱う内容は自立活動や教育課程の取扱い、医療的ケアが多く、模擬授業や学習指導案の作成は少ないこと、⑤動画教材を使用している学校は多いが、重度・重複障害児との実際の触れ合いが少なく、そのための機会を創出したりイメージを持たせたりすることに困難を感じていること、などが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では初年に特別支援学校教諭の養成課程を有する大学を対象とした全国調査を実施する予定であったが、しかし研究代表者の年度途中での所属機関の変更、新型コロナウィルスへの各大学における対応の忙殺状況を鑑み、調査の実施を断念した。そのため、年単位の計画が1年遅れとなっている。2年目にあたる昨年は研究テーマに係る文献調査を行うとともに、初年に計画していた全国調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に実施した全国調査の結果について論文にまとめ学術雑誌への投稿を予定している。一方、養成プログラムで使用する教材について、研究協力校(特別支援学校肢体不自由校)と共同で試作に取り組んでおり、本年中の完成を目指している。試作した教材は、研究代表者の所属する大学の肢体不自由科目(教育課程・指導法)の授業内で試用し、その効果の検討を予定している。
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