研究課題/領域番号 |
21K02760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
日潟 淳子 姫路大学, 教育学部, 教授 (20621121)
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研究分担者 |
上田 ゆかり 鈴鹿大学, こども教育学部, 准教授 (20782626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ネットメディア依存 / 時間的展望 / 心理教育 / 教育支援 / ネット依存 / 健康調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学校での組織的,継続的にネット依存・防止を促す教育支援モデルの構築を目指すものである。児童生徒に対する有効なネット依存予防・防止のための教育教材を開発して提供し,それを中核として,提供教材の実施のタイミング,その後の支援における教員・養護教諭・スクールカウンセラーの組織的な役割分担の検討を詳細に行い,より有効な学校現場におけるネット依存予防・防止教育支援モデルを作成することを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は教育現場で,児童・生徒にネット依存に陥らせることなく適切にネットメディア機器を使用する力を子どもたちに身につけさせるために,心理教育や授業の教材を提供し,学校で組織的,継続的にネット依存・防止を促す教育支援モデルの構築を目指すものである。 令和5年度は,令和4年度に実施させていただいた三重県の公立中学校1校に対して継続的に心理教育(6月に実施),および,クラスでのルール作り(10月に実施)を実施し,効果を検討した。1年生に対しては前年度に実施した心理教育を行い,2,3年生に対しては新たに心理教育を作成し実施した。加えて,校区の小学校2校において心理教育を実施した。1校は5年生6年生を対象に保護者とともにネット依存の危険性を伝え,クラスのルール作りをしてもらい,その後,児童に心理教育を行った。もう1校については,6年生に対して心理教育のみを行った。 その結果,中学校においては使用時間やネット依存傾向については心理教育前後で今年度は変化があまり見られなかったが,心理教育前の使用時間が全国平均の使用時間よりも約80分短く,また,ネット依存傾向についても低く,前年度の効果が継続しているととらえることもできた。学年別にみると1年生についてはネット依存傾向が高い者の使用時間が低まり,従来作成した心理教育の有効性が示された。しかし,ネット依存傾向においては,心理教育後に一度低下するが,3カ月後には上昇する傾向が見られた。全学年において心理教育後のワークを実施した者はネット依存傾向や時間的展望が良い方向に変化しているため,実施を促す支援が有効であることが示唆された。小学校においては心理教育後に使用時間やネット依存傾向は下がるが,3カ月後には再び元に戻る傾向が見られた。中学生と同様にワークを実施した者は効果が高い結果が得られ,今後,どのように支援していくかを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学における研究倫理審査委員会での承諾を得ることが難しく,研究協力校において養護教諭との協力連携がまだできておらず,養護教諭が実施してる健康調査票の関連をとらえることができてない。また,実施当初コロナ禍であったこともあり,ネット依存をとらえる尺度の作成ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力校の校長先生,および養護教諭と話をして,研究倫理面を配慮した範囲での協力を検討する。また,ネット依存尺度については,オンライン調査の実施を検討していく。
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