研究課題/領域番号 |
21K02795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
倉島 庸 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374350)
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研究分担者 |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
渡邊 祐介 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90789405)
パウデル サシーム 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80811489)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 外科教育 / 術中意思決定 / 術中判断 / 手術トレーニング / 手術ナビゲーション / 腹腔鏡下手術 / 幽門側胃切除術 / 術中意思決定能力 / ノンテクニカルスキル |
研究開始時の研究の概要 |
外科治療の中心となる手術が高難度になるにつれ、執刀医に求められる技能は手先のテクニックではなく、術中判断力・意思決定能力を含めたノンテクニカルスキルとなる。これまで申請者らは、指導が難しいとされる内視鏡外科手術の基本手技や術式別のシミュレーショントレーニングに関する多くの研究業績を収めてきた。しかし、過去の外科教育分野における研究は、申請者らの研究も含めて手術手技のみの正確さや自立性に着目した検討が多く、ノンテクニカルスキルに着目し外科医の思考プロセスを研究した報告はわずかである。そこで、本研究では手術中の外科医の意思決定内容、意思決定能力を分析し、実際の手術成績との相関を検討する。
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研究実績の概要 |
外科医の術中意思決定能力を分析し、レベルの異なる術者間の手術技能差を比較するとともに手術成績との相関を検討する、という本研究の前半の課題を探求するために、我々が以前開発した腹腔鏡下幽門側胃切除術(Laparoscopic Distal Gastrectomy: 以下LDGと表記)技能評価スケールであるJORS-LDG (Kurashima et al. Surg Endosc 2019)を使用し、異なる術者間の手術技能差を比較し、手術成績との相関を検討した。日本全国の研究参加者40名から54例のLDG未編集ビデオを収集し、手術技能をブラインド評価した。その結果JORS-LDGの点数により執刀医を3群に分けた場合、この3群のJORS-LDG点数は術中・術後合併症発生率と相関するという結果が得られた。さらに令和4~5年度はこのデータのサブ解析を行い、LDG初心者が、エキスパートと最も技能点数の差が開いた局面は膵上縁リンパ節郭清および幽門下リンパ節郭清であるという結果を導いた。この郭清部位は効率的にリンパ節郭清を行う方向性の決断、すなわち意思決定能力を最も必要とされる局面であり、どのような手技が意思決定の結果を反映しているのかを検討中である。令和5年度はLDGの手術手順および各局面の難易度の解析手法を用いて、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術における状況判断、意思決定が各工程に影響すると考えられる項目を抽出し、それらの局面に求められる状況判断および意思決定、いわゆるノンテクニカルスキルの能力を評価するスケールを開発した。今後はこの評価スケールを基盤として、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術のノンテクニカルスキル評価およびトレーニングを行うことで、手術のパフォアーマンスが向上するかを検討予定である。
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