研究課題/領域番号 |
21K02804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
野々口 陽子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (00756207)
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研究分担者 |
當目 雅代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20259435)
水田 真由美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00300377)
東 真理 天理医療大学, 医療学部, 准教授 (30771612)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 臨床看護 / 優先順位 / 多重課題 / 看護基礎教育 / 尺度開発 / シミュレーション教育 / 優先順位判断 / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、看護学生の多重課題実践における優先順位判断のシミュレーション教育プログラムを開発することである。そのため、本研究は以下の3段階で構成する。 第1段階:病院に勤務する看護師の多重課題と優先順位の概念分析と文献検討をおこなう。 第2段階:病院に勤務する看護師へのインタビューから質問項目候補を作成し、看護学生に質問紙調査をおこなうことによって、看護学生版多重課題の優先順位判断評価尺度を開発する。 第3段階:開発した尺度を、実践評価とデブリーフィング計画に組み込んだ、多重課題シナリオを作成し、最終年次の看護学生に作成したシミュレーション教育を実施し、本プログラムの有効性を検討する。
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研究実績の概要 |
臨床看護において看護師は一般的に複数の患者を担当し、交代制勤務の中で患者の状況を申し送りながら看護を実践している。また、今日の臨床看護においては、入院期間の短縮や、医療技術の発達、高齢化によって患者が複数の疾患を抱えているなど、業務内容の複雑化も伴う限られた時間の中で、個々の患者のニーズを満たさなければならない。このような中で、看護師にはこれまで以上に高い看護実践能力が求められており、看護基礎教育においては臨床判断能力を強化するカリキュラム改正がなされた。優先順位を判断しなければならないことは臨床判断の複雑さを増す要因であり、学生や新人看護師には難しいものであるため、臨床判断能力の育成において優先順位の設定を教育することは重要な課題である。一方で、臨床判断能力の育成に欠かせない臨床実習は制限されたものとなっており、これを補完するものとしてシミュレーション教育が推奨されている。 そこで、本研究では、複数患者を受け持つ多重課題シミュレーションにおいて看護師の優先順位の判断根拠を取り入れた教育プログラムを開発することを最終的な目的とした。そのため、本年度は、本研究の重要概念である「優先順位」についての概念分析をおこなった。Rodgers(2000)の概念分析のアプローチを用い、対象となった文献から「臨床看護における優先順位」の属性、先行要件、帰結を明らかにし概念を定義した。これについては、現在学術誌への投稿中である。また、本年度はさらに、優先順位の判断を教育するための最適なシミュレーション方法について検討するために、多重課題シミュレーション教育の国内外の文献についてレビューを実施し、現在まとめを実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度と同様に2022年度においてもCOVID-19の拡大により、医学系大学として患者の安全を第1に考える必要性から、教育活動において臨機応変な対応を求められ、研究活動において十分な時間を確保することが困難であった。また、本研究の重要概念である「優先順位」はこれまで定義が明確になっておらず、曖昧なまま教育されていた経緯がある。そのため、本研究の目的を達するためには、まず「優先順位」を明確に定義する必要があり、概念分析の論文を投稿し査読を経た妥当性のある定義をもとに、次の段階へ進む必要があったため時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
現在おこなっている文献レビューをもとに研究計画をより綿密なものとし、これに沿って研究を実施していく。また、COVID-19の感染症分類の変更に伴い、病院の看護師へのインタビューの際の調整も容易となると考えられる。
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