研究課題/領域番号 |
21K02815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
河野 和宏 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (60581238)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 情報セキュリティ / 情報モラル / 学習ツール / 体験ゲーム / アナログゲーム / XR / 情報リテラシー / 金融リテラシー / 金銭リテラシー / ARCSモデル / ゴールベースシナリオ理論 / 情報教育 / 教育工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1)教材の媒体やリテラシー・習熟度の違いを考慮した教育ツールの開発、2)ユーザの求めるものや実対策を整理した上でのユーザ視点に立脚した学習ツールの開発、3)深い理解と実践を促すためのユーザの環境に合わせた対策の取捨選択による主体的・能動的学習の実現、の3つに分類される。専門家が目標を定めて一方向的に教育するツールを開発するだけでなく、ユーザ視点に立脚した学習ツールを開発し、ユーザ自身の環境に合う考えや対策を学習することで、ユーザのセキュリティ対策や情報モラルに対する深い理解と実践力を養うことを可能とする。
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研究実績の概要 |
2023年度も,前年度に引き続き情報セキュリティ学習・教育ツールを複数開発した.これまでとの大きな違いは,本プロジェクト名にもある「ユーザ視点に立脚」という点に主眼を置き,ユーザがある状態に達する・インシデントを起こすまでのプロセスを学習できるゲーム内容にした点である. たとえば,ある状態やインシデントに至るまでの過程を,ユーザ視点に立脚し,ユーザが直面する各立場から学べるようゲーム設計を試みた.具体的には,道徳や犯罪心理,情緒の発達が学べるカードゲーム「マイライフ」では,「犯罪をおこさないのはなぜなのか」「犯罪行為をどうして起こすのか」という両視点から道徳/犯罪心理を楽しみながら学ぶことができるよう設計されている.また,誹謗中傷対処方法学習ゲームでは,だれもが誹謗中傷の加害者にも被害者にもなりうることから,両方の立場を同時に経験できるカードゲームとなっている.さらに,一部のインシデントは人を騙すところから始まるため,「なぜ騙されられるのか」だけでなく「どのようにして騙すのか」も体験できる対面型コミュニケーションゲームも開発した. ユーザ視点からすると,インシデントに至るまでの過程を,実例に沿って具体的に知る,ということも重要と考えられる.そこで,SNS炎上の過程を学ぶゲームでは,対戦式のカードゲームとボードゲームを組みあわせ,炎上の背景にある炎上の構造や炎上に至るまでの3つの過程(発見・拡散・報道)を学習できるようにしている. そのほか,XRを用いた地震体験型学習アプリケーションの開発にも取り組んだ.あらたにマルチプレイ機能などを盛り込むことで,多様な体験をさせ,セキュリティ教育・防災教育にありがちな,学んでも実際の行動に移さない,という課題の解決を試みた.
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