研究課題/領域番号 |
21K02816
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
白土 浩 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (30315460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ネットワーク利用状況調査 / Webアプリケーション / 深層学習 / 教育ビックデータ / L7FW |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、キャンパス無線LANシステムに接続する学生のスマートフォンのアクセスポイント接続履歴やネットワーク利用履歴を基に学生の行動パターンを抽出し、これを成績や出欠情報、電子カルテなどの教育ビックデータと融合することで学生の行動指標や受講指標、成績指標からなる学習指導指標の作成を目指す。 すなわち、学生が所有する携帯端末による構内無線LAN接続履歴と個別時間割情報から推測できる学生の大学滞在時間や移動パターンなどの行動指標、講義中の通信履歴やセッション情報を基に得られる受講指標、および教育ビッグデータから得られる成績指標を融合した上で、深層学習を活用し、学生の学習指導指標の作成を目指す。
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研究実績の概要 |
本課題では大学などにおける中途退学者の予防や学業支援を「教育ビックデータ」を基に学生の行動指標や受講指標を定量化し学生指導の指標として用いることを目指している。これまで、学生の行動指標を取得する手段としてキャンパス内に張り巡らされた構内 Wi-Fi AP への接続状況を収集しデータベース化、併せて概況を把握するため、接続状況を表示するためのWebアプリケーションを構築している。 本年度は、より詳細な就学状況を評価する指標の一つとして、講義時間中のネットワークアプリケーション利用状況について調査を進めてきた。具体的なネットワーク利用状況の解析方法として、Layer7Firewall が収集する膨大なアクセスログから、Wi-Fi AP への接続情報などを基に利用者を特定し、利用アプリケーションと講義との関連性について評価するシステムの構築を行った。そして、実データを用いた分析を行い、その結果を時間・ユーザ毎の利用状況としてデータベース化した。併せて、これらの情報を可視化するWebアプリケーションも構築した。一方で、詳細なアプリケーション利用状況の分析をする上で Google社が推進するQUIC プロトコルによるセキュリティ対策の一つであるアプリケーション秘匿化の影響で講義に関連するアプリケーション利用とそうでない通信を分離することが困難となる問題点が見つかった。このため QUIC プロトコルを遮断した場合の影響調査を別途、実施した。 半年間の間、限定的なネットワーク内で遮断した状態で講義や学生利用について検証した結果、問題がないことを示した。その後、学内の基幹 Layer7Firewall の設定変更を申請し許可された。今年度より遮断した状態でネットワーク運用を開始し、より詳細な講義受講状況の解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
詳細なアプリケーション利用状況の分析をする上で Google社が推進するQUIC プロトコルによるセキュリティ対策の一つであるアプリケーション秘匿化の影響で講義に関連するアプリケーション利用とそうでない通信を分離することが困難となる問題点が見つかった。このため QUIC プロトコルを遮断した場合の影響調査を別途、実施する必要性に迫られた。 半年間の間、限定的なネットワーク内で遮断した状態で講義や学生利用について検証した結果、問題がないと判断し、今年度より遮断した状態でネットワーク運用を開始することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度からLayer7Firewallによる詳細なネットワークアクセス情報を取得可能となり、これまで判別が困難であった講義中の動画視聴と講義資料閲覧や演習問題への取り組みについて正確な判定が可能となる。このため、講義開始後、順次ネットワーク利用状況調査と分析を進める。併せて既存のネットワーク接続履歴に基づく位置情報を含む学生の行動指標の基盤となる訓練データセットの作成およびCNNによる分析についても研究を進める。また、近年、著しく革新しているLLM(大規模言語モデル)を活用する方法についても模索し、学生の行動指標の策定を目指す。
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