研究課題/領域番号 |
21K02821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
早稲田 一嘉 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20390479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | トポロジー最適化 / アディティブマニファクチャリング / DX(デジタルトランスフォーメーション) / 工学教育 / 3Dプリンタ |
研究開始時の研究の概要 |
研究機関3年を通し、「小中学生への3Dプリンタを利用した公開講座」,「高専でのオープンソースを用いたDDM前提のものづくり教材やカリキュラム」,「より高度なスキルや知識への導くための地域連携」の活動準備をし実施する。その後に「トポロジー最適化」などを利用した製作に挑戦する学生数等を調査する。発展的な部分(AIやスパコンに関心のある学生)については本校電子工学科教員の協力を必要に応じて要請するが,基本的には研究代表者が実施し,本校機械工学科学生である5年生1~2名および専攻科学生1~2名程度の卒業研究(特別研究)と位置づけ,研究協力者とする.
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研究実績の概要 |
科学研究費助成事業申請書の「補助事業期間中の研究実施計画」に基づき、昨年度にに作成した「トポロジー最適化をオープンソースで実現し加工するまでの手順」を記した教材(初版)を5年生開講科目「CAE演習」に導入した。上述の教材開発と並行して、小中学生向けのトポロジー最適化と3次元造形を体験する公開講座のための教材を作成し、2022年夏季休業中に公開講座を実施した(前年に引き続きコロナ禍(第7波)であることで、講座募集人数は少なくせざるを得なかった)。 また、「CAE演習」のみでの教材使用を予定していたが、モデリングや境界条件設定などを予めテンプレートの形で提供する簡易版の教材を新たに作成し、2年生の機械実習Ⅱにおける3DプリントやCNC加工機を体験するワークショップでもトポロジー最適化を体験可能とする教育環境を準備をした(一部の学生が試行的に実施)。そして2023年度に向けてトポロジー最適化した形状をレーザー加工機にて切断する手順書も新たに作成し、3D造形ありきの設計を考えることができる学生の教育環境を構築した。これらの授業や講座の実施のために3Dプリンタの消耗品購入やパソコンの周辺機器の購入をし3Dプリンタ稼働率を高めるための環境改善を実施した。 本課題に関連する発表として、OPENCAE学会シンポジウム2022、日本機械学会 2022年度年次大会、日本工学教育協会 第70回年次大会・工学教育研究講演会、日本機械学会 技術と社会部門講演会 2022年度講演会で口頭発表をした。また、間接的な研究内容の発表として、2022年度神戸高専産金学官技術フォーラム、日本設計工学会 関西支部 2022年度研究発表講演会(学生優秀発表賞受賞)にて指導している学生が口頭発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年に続き、コロナ禍によるまん延防止処置のため、特に以下の2点の進捗が遅れた。 (1)小中学生向けに公開講座を準備し実施したが、計画していた日程においてコロナ感染者数の急激な増加(第7波)があり、全学的に外部向けイベントが縮小(密を避ける対策)されたため、予定していた参加者数に満たなかった。 (2)半導体不足による、3D描画や一部の計算に用いるGPUの価格の高騰は少し落ち着いたものの、急激な円安と中国などでの部品製造遅れなども重なり、新規の3DプリンタやPC購入は見送った。 教材開発については概ね予定通りであり、一部は予定をしていなかったものも作成できたが、その教材を用いた授業や講座においての実践後に実施予定の教育効果を確認するためのアンケート実施に支障がでている(昨年度と同様)。 しかしながら、昨年度は導入を見送った5年生開講科目の「CAE演習」にてトポロジー最適化の授業を実施でき、計画には入れていなかった2年生開講科目の機械実習Ⅱにおけるトポロジー最適化の体験を一部の学生に対して実施できたことは、一定の進捗があったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
3Dプリンタの設置台数を増やし、その使用回数は増加しているものの、3Dプリンティングならではの造形を試みる学生は少ない。これは、トポロジー最適化などの手法を学生らが知らないことが大きく起因しており、「現在までの進捗状況」欄にも記したが、教育効果を確認するための教材を適用した教育の実施が遅れたことも影響していると考える。 教材開発については概ね予定通りであるため、今後の研究推進については (1)5年生開講科目の「CAE演習」で開発した教材を使用し、学生にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。(2)当初予定にはなかった2年生の機械実習における3DプリントやCNC加工機を体験するワークショップでのトポロジー最適化体験を正式導入し、教育を受ける学生数を増やす。合わせて学生にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。(3)小中学生向け公開講座においても、トポロジー最適化体験の導入を検討し、次世代のエンジニア発掘やデジタルなものづくりへの関心をもつ子どもらの数を増やすことを試みる。合わせて公開講座参加者にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。 特に(2)(3)は研究計画では予定していなかった試みで、実現できれば昨年度の進捗の遅れを取り戻す対応策となりうると考える。
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