研究課題/領域番号 |
21K02829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
神田 陽治 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80417261)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 特許性の直感的把握力 / クレームチャート / 熟達 / 生成AI / 特許明細書作成 / 学術論文執筆 / IMRaD / 科学技術論文の執筆 / 特許の新規性 / 科学技術論文の独自性 / 特許の進歩性 / 学術研究の意義 / 人工知能 / 特許性判断 / 弁理士 / 直感的把握力の学習 / 知識修得 / スキル修得 |
研究開始時の研究の概要 |
弁理士は特許業務を行う知識専門職である。弁理士が持っている、「特許性の直感的把握力」は、特許業務全般で弁理士を助ける。そして弁理士は、特許調査等の試行錯誤を必要とする業務経験を通じて「特許性の直感的把握力」を獲得して来た。では、「特許性を判断できるAI」が導入され、特許調査の試行錯誤が不必要になった時、弁理士は、どのように「特許性の直感的把握力」を獲得できるのか。本研究では、「特許性を判断できるAI」が判断の根拠として出力するクレームチャートの読解を通し、弁理士はこれまでよりむしろ素早く「特許性の直感的把握力」を獲得できると想定し、弁理士と発明者の間で行う発明会議の場で検証して行く。
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研究成果の概要 |
生成AIを業務に使う時代に、専門家は熟達を、どのように学べるのかを考察した。専門家は、先行文献を読み解く経験から、メンタルモデルを獲得する。生成AIを使えば、先行文献からメンタルモデルを算出し、専門家は、その読み解きから効率良く熟達できるだろう。また、本メンタルモデルに専門家の独自なアイデアを加えた上で、生成AIで、専門家レベルの成果物を自動生成できるだろう。 弁理士のメンタルモデルはクレームチャートであり、特許性判断をクレームチャートとして出力するAIは既に存在する。学術研究者のメンタルモデルの調査結果を踏まえ、生成AIを使って、先行文献調査を行い、学術論文を自動生成することも可能と結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生成AIの登場により、定型的な職業だけでなく、専門家の職業にも影響が出ると言われ始めている。業務経験を積むことによって獲得していた熟達が、専門家の高収入の根拠になっていたのだから、生成AIの登場は、専門家自身のみならず専門家教育機関にとって重大である。 本研究は、生成AIの時代に、専門家が、その収入の基盤としている熟達をどのように学べるのかを考察し、より効率良く熟達を学べる可能性を指摘した。さらに、生成AIを前提としたとき、専門家の業務をどこまで支援できるのかを、弁理士の特許業務、および、学術研究者の学術論文執筆を対象に考察し、特許明細書や学術論文の自動生成も可能となると論じた。
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