研究課題/領域番号 |
21K02840
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
佐藤 朝美 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (70568724)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | オンラインワークショップ / DigitalPlay / 創造性 / 幼児教育 / 遊び / Digital Play / 創造思考 / 幼児 / ワークショップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、幼児期に適切なデジタル体験として創造的な「Digital Play」に着目し、支援するオンラインワークショップの手法を明らかにする。そのために「① 創造性の最近接発達領域(ZPD)に働きかける効果的なDigital Playについて、② ワークショッププログラムのデザインとファシリテーションの役割について、③オンラインワークショップ実践のためのシステム環境について」を要件とし、オンラインワークショップのデザインを行う。効果を検証し、オンラインワークショップをパッケージ化し、得られた知見と共に広く普及できるようWebで公開する。
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研究実績の概要 |
本研究では、幼児期に適切なデジタル体験として創造的な「Digital Play」に着目し、支援するオンラインワークショップの手法を明らかにすることを目的としている。そこで、「①創造性の最近接発達領域(ZPD)に働きかける効果的なDigital Playについて、②ワークショッププログラムのデザインとファシリテーションの役割について、③オンラインワークショップ実践のためのシステム環境について」を要件とし、オンラインワークショップのデザインを行う。 過年度では、デジタルコンテンツやツール、大人の声かけ(教示方法)、発達段階、テーマや扱う素材等を検討しながら、創造的な「Digital Play」の活動をプロトタイプとしてデザインし、実践を行った。ただし、子どもがオンラインを通して活動するための「エンゲージメント」という課題が明らかとなった。そこで、コロナ禍において先進的にオンライン幼稚園を実践していた幼児部講師2名にインタビューを行い、対処法を検討した。その結果、1. インタラクティブな要素の強化、2. 個別対応の強化、3. 親の参加と協力、4. コンテンツの工夫、5. 技術的サポートの強化、6. フォローアップ活動の項目に整理された。 本研究で支援する創造的な「Digital Play」に必要な点として、まず1. インタラクティブな要素の強化、4. コンテンツの工夫、5. 技術的サポートの強化に着目することとし、オンラインワークショップを実践する場をメタバース空間とし、デザインと実践に取り組むこととした。メタバース空間はゴーグル無しで、PCやタブレットで体験できるクラスターとし、情報収集を行い、プロトタイプの作成を行った。次年度は他の項目も視野に入れ、実践と評価を行い、デザイン原則を整理する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の3つの要件である「①創造性の最近接発達領域(ZPD)に働きかける効果的なDigital Play、②ワークショッププログラムのデザインとファシリテーションの役割、③オンラインワークショップ実践のためのシステム環境」において、「エンゲージメント」という課題が明らかとなった。そこで、先進的な取り組みを行っている幼児教育部門の講師にインタビューを行い、エンゲージメントを高める対処法について明らかにした。 対処法の一環として、主に③オンラインワークショップ実践のためのシステム環境において、メタバース空間であるクラスターを用いることを検討した。この方法では、子どもたちが没入しながら創造的な活動に取り組むことができる環境を提供することを目指している。クラスターのデザインのための情報収集やプロトタイプの作成を行ったが、それらに時間を費やしたため、エンゲージメントを高める具体的な活動デザインとその実践、評価にまでは至らなかった。 そこで、研究期間を1年延長することとし、次年度には具体的なワークショップデザインを行い、効果を検証する予定である。さらに、オンラインワークショップをパッケージ化し、得られた知見と共に広く普及できるようWebで公開する計画である。この取り組みにより、幼児教育におけるデジタルメディアの活用がより効果的に進むことを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について、次のように計画する。 まず、具体的なワークショップデザインを行い、効果を検証する。これにより、創造性の最近接発達領域(ZPD)に働きかけるDigital Playの実践方法を確立する。具体的には、これまでに得られた知見を基に、粘土遊びやお話作りなどの活動をさらに発展させ、子どもたちがより没入しやすい活動を設計する。特に、メタバース空間であるクラスターを用いることで、子どもたちがリアルタイムで他の参加者と交流しながら創造的な活動を行う環境を提供する。この環境では、子どもたちが自分のペースで進められるようなインタラクティブな要素を取り入れることも重視する。 次に、ワークショッププログラムのデザインとファシリテーションの役割については、特にエンゲージメントを高めるための具体的な手法を導入する。これには、親子で協力して参加できるアクティビティの設定や、子どもたちの興味を引き出すテーマ設定が含まれる。また、ファシリテーターのアバターを工夫し、子どもたちが積極的に参加できるようなサポート体制を整える。 さらに、システム環境についても整備を進める。クラスターの利用に加え、操作方法を解説する動画やマニュアルを事前に提供し、子どもたちがスムーズに参加できるようにする。ワークショップ中には、技術的な問題が発生した際に迅速に対応できるサポートスタッフを配置し、安定した通信環境を確保する。また、終了後には、作品の展示や共有、評価を通じて子どもたちに自己効力感をもたらし、モチベーションを継続するフォローアップ活動を実施する。 これらの活動を通じて効果を検証し、オンラインワークショップをパッケージ化する。得られた知見を広く普及するため、Webサイトを通じて公開し、他の教育機関や家庭でも活用できるようにする。最終的には、創造性を育むための新しい教育方法として定着させることを目指す。
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