研究課題/領域番号 |
21K02850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東海大学 (2023) 北海道教育大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
内山 隆 東海大学, 児童教育学部, 教授 (40389648)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 教育実習 / 授業実践力 / 配属条件 |
研究開始時の研究の概要 |
1学級に1人の教育実習生と1学級に複数の教育実習生の、授業実践の省察について調査を行い、教育実習における授業実践力に関わる分析カテゴリーを明らかにする。分析カテゴリーを用いて、両者の教育実習生の授業実践力に関わる省察内容を比較する。 両者の比較から、教育実習の配属形態の違いが授業実践力の育成に与える影響について仮説を設定し、分析カテゴリーによる量的な比較分析を行い、データに基づく考察をする。 考察から、それぞれの実習における教育実習生の授業実践力に関する省察の特徴、良さ及び課題を明らかにする。 課題の改善策を構想し、教育実習モデルプログラムとして実践可能な形で学校現場に発信し活用を図る。
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研究実績の概要 |
教育実習において、1学級に1人が配属された場合(1人配属)と1学級に複数人が配属された場合(複数配属)の各26名の実習記録の「教育実習のまとめ・考察」に記述された文章で使われる語句及び頻度の比較から「授業実践力」に関わるものの抽出を試みた。 ここからは「授業実践力」の全体や関連は捉えられなかったため、先行研究から「授業実践力」の全体像を捉えられる分析観点を設定することにし、35項目からなる「教育実習記録の授業実践力に関する分析の観点」表を作成した。 この観点をもとに「一人配属」と「複数配属」の記述を分析・比較した。35項目に関わる記述数を比較すると、一人当たりの記述数は前者が9.8か所、後者が16.4か所であった。項目毎に見ていくと、両者共に多い項目として、A授業構想力の「1.学習者の実態把握」、「3.授業構成③子どもの学びの想定、授業過程の組織」、B授業展開力の「1.基礎的・基本的な授業態度(言葉・表情・所作・雰囲気等)」、「2.学習指導の実際①個や集団への配慮」、「3.学習指導の喚起と促進③発問・問い返し、⑤子どもの発言・行為への対応」、C授業評価力の「1.授業実践についての評価・省察①自己の教育・社会観・教師像・自己理解、③指導法、④他者からの学び、⑤授業改善」が挙げられる。 以上から、両者に共通する記述の多い項目は、実際の子どもを想定した教育実習ならではの授業実践力に関わる経験である。また、両者共に教育実習で授業実践を経験することで、授業改善について省察し、自己の教育・社会観、教師像、自己理解について振り返っている。「1人配属」よりも「複数配属」の方が記述数が多いことについては、「複数配属」では他の実習生と指導案の検討、教材準備、授業後の省察等、話し合いをする場面が多いためと予想される。この点については、記述の文脈に即した分析をすることで明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで明らかになった点について、調査対象の大学関係者に報告・意見交換したり、学校現場の授業研究で「授業実践力に関する分析の観点」を試行的に活用したりすることはできたが、研究内容をより精緻化するための記述そのものの文脈に即した分析や、成果と課題を検討・共有するための発表及び報告書の作成を行うところまで至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、記述内容の比較・分析から捉えた点について、実習記述の文脈に即した分析を行うことで、授業実践力との関連を明らかにする。 そこから、授業実践力の育成につながる教育実習の在り方やシステムについて、教育現場の現状に即し実践可能な提案をしたい。
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