研究課題/領域番号 |
21K02859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松下 幸司 香川大学, 教育学部, 准教授 (40432778)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ICT活用 / 情報教育 / 教員養成 / 初任者研修 / 授業づくり / 学習指導 / 教育実践 / 教員養成課程 / 参与観察 / 記録データの多様化 / 根拠に基づく省察 / 精緻化・深化 / 教員研修 / 動画教材コンテンツ / 情報活用能力 |
研究開始時の研究の概要 |
タブレットPCを活用し、現職の先生が自分の授業の様子を撮影した映像と授業の振り返りを語る映像・写真を編集し、教員養成/研修用動画教材として開発する。開発した教材は、現職教員の研修教材とするだけでなく、教師を目指す大学生が視聴し、現職教員へのメッセージ動画を作成する。教員を目指す学生と現職教員とが、動画を介した相互交流を通して、自らの学びや指導スキルに関する自己省察の場となる養成・研修プログラムを開発・実施する。
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研究実績の概要 |
2023年度、前年度までに行った小学校・中学校における教育実践の調査研究もふまえ、多様な学習活動の中から特に「ICT活用・情報教育」の学習活動に焦点化して研究を進めた。「ICT活用・情報教育」の学習活動を計画・実施する上で、現職教員がどのようなことを考え、学習活動を計画し準備を行い、また実際の学習活動を行う中で、どのようなことを考え、配慮し、児童生徒を指導・支援していたのか、自身の教育実践を動画像記録・写真記録を参照しながら振り返り、省察を加えていただいた。本研究に関して、小学校教諭5名、中学校教諭5名、高等学校教諭5名に「ICT活用・情報教育」の学習活動を計画・実施する上で、教師として必要なスキルや思考内容について、次の世代の教員に必要なスキルや資質能力を伝達するために、手引きとなる書籍を刊行することとした。 本研究の当初計画においては、映像記録を軸に教員養成の教材を構成することを計画していたが、対象とした教員それぞれと相談を重ねたところ、児童生徒の個人情報保護の観点や、教員自身の実践に対する省察の内容を、手に取ることのできるかたちで何度も租借し、教員として必要なスキル・資質能力の理解と、次世代の教育実践に繋ぐことができることをねらい、書籍として刊行する方法を採ることにした。2024年3月、教員を目指す学生・初任者教員を対象とする書籍「「ICT活用・情報教育」の学習活動を創造する ~見てわかること・聞いて知ること~」を刊行した。 書籍においては、教育実践について「見てわかること」と実践者に「聞いて知ること」を整理して示すことにより、教員を目指す学生・初任者教員が授業づくりや学習指導のポイントを明確に理解できるよう工夫した。また「聞いて知ること」については、スキル・資質能力の観点などによりカテゴリー分析して示し、次世代の教員への理解の促進と継承を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」において述べたとおり、小・中・高等学校現職教員の「ICT活用・情報教育」の学習活動の計画・実践に関するスキル・資質能力について総括し、教員を目指す学生・初任者教員を対象とする書籍として刊行することができた。ただ本研究の目的には「教員養成プログラムの開発」を含んでいる。刊行した書籍を活用し「ICT活用・情報教育」の学習活動の計画・実践を促す教員養成における演習プログラムの設計と試行実施に十分に取り組むことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
刊行した書籍「「ICT活用・情報教育」の学習活動を創造する ~見てわかること・聞いて知ること~」を活用し、教員養成課程の授業において、「ICT活用・情報教育」の学習活動の計画・実践を促す演習プログラムの設計・計画を2024年度前期に行い、2024年度11月頃を目途に、教員養成科目「教育の方法と技術」を中心に演習を試行実施し、検討を加えたい。なお、教員養成課程における演習プログラムの設計・計画においては、香川県教育委員会の指導主事にも助力いただき、現代次世代の学校教員に必要なスキル・資質能力を大学教育においていかに育成すればよいか計画を練るとともに、演習プログラムに取り組む学生の実施状況についても参観いただき、改善に向けた検討を加えることを計画している。 また「研究実績の概要」に述べたように、児童生徒の個人情報保護の観点などから、教育実践の記録映像を動画像教材としてそのまま活用することには難しさがあるが、自身の実践について省察をいただいた現職教員と協議検討を行い実施可能性を模索し(一案として、教育実践に関する現職教員による省察映像のみを用い、教育実践記録については動画ではなく静止画(写真)で示すなどの方法を検討している)、現職教員のスキル・資質能力を次世代に繋ぐ動画像教材として制作し、演習プログラム等において試行活用することを目指したいと考えている。
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